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子守唄

書いてみたかったおはなし。


どこからか、優しい歌が聞こえてくる。


―――懐かしいな。確かこの歌は…。



「…っ!!!!」

ガバッと勢い良く飛び起きたせいで、丁度私を起こそうとしていた侍女のラーラに頭突きをしてしまった。


「ラーラごめん、大丈夫?」

「ええ、大丈夫ですよ。ふふ、元気が良さそうで何よりです。」


 微笑みながらそう答えたラーラは、私が召喚された日からずっとお世話をしてくれている専属侍女の1人だ。

優しくて、とても頼りになる。


………そう。

私は、召喚されたのだ。

ただのどこにでもいる大学生だったはずなのに、どういう訳かこのリンドラーシュ王国に聖女として召喚されてしまった。


元の世界に戻れないと聞いた時の衝撃は凄かった。


…けれど時間とはとても残酷なもので、地球と何もかも違うこの世界に来てからもう一年という月日が流れてしまっている。


 幸いにも言葉は通じたし、文字も読めた。

聖女としてのお仕事も沢山あって、沢山感謝された。

だから、私が出来ることを精一杯やって、この世界で生きていこうと決意した。


………はずだったのに。

あの歌は。


―――お母さんがよく歌ってくれた子守唄だった。



 目から、ボロボロと大粒の涙が零れ落ちる。

今まで考えないようにしていた。

考えたら帰りたくなってしまうから。


家族のこと、友達のこと。


 大事なものすべてを置いてきてしまった。

感謝の言葉も、別れの言葉も伝えられずに。


1年間我慢してきた感情が堰を切ったように溢れて止まらない。

侍女のラーラは私の背中を優しくさすってくれた。





――この日、聖女は王宮から姿を消した。




読んで下さって、ありがとうございます!

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