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恋焦がれたのは
人物名はご想像にお任せします。
ふと思いついたシーンです(´-`)
すぅすぅと規則正しい寝息が耳をくすぐる。
シーツに散らばった艶やかな髪も、その全てが愛しい。
胸に込み上げてくる行き場のない感情に蓋をして――のこめかみにキスを落とした。
「……明日なんて来なくていいのに。」
そう呟いてそっと部屋を出た。
この気持ちはいつか捨てなければいけない。
絶対に叶うことのない、こんなふざけた願いを抱えて生きるのはあまりにも辛すぎる。
…いっそのこと2人でどこか遠くへ行けたら。
なんてくだらないんだろう。
あまりにもくだらなすぎて、笑ってしまう。
笑っているはずなのに、、なぜか涙が止まらない。
俺はいつからこんなにも弱くなったんだろう。
幸せなはずなのに悲しくて、苦しくて。
側に居れるだけで良いと、そう決めたのは俺自身のはずなのに。
止まらない涙をそのままに自室のバルコニーへ出て、ぼんやりと霞がかった月を見上げた。
夜の冷たい空気が肌を抱く。
…いつもなら寒いはずのそれは、今は心地良かった。
読んでくださりありがとうございます。