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覇王丸という勇者の評価(天使視点)

きりのよいところまで毎日投稿できるように頑張ります。

 最初に会った時は、素晴らしい勇者だと思った。


 次に会った時は、前評判どおりのハズレ勇者だと思った。


 今は、そのどちらでもない。


 初めて特定の人間を守護することになった僕にとって、勇者「鬼怒川覇王丸」は、ただただ不思議な人物だった。


 自分本位で利己的な面がある一方で、奇妙な優しさを見せることがある。


 こちらで強制しなければ助けようともしなかった女の子を、変に気遣ったりする。


 根っからの善人ではないが、かといって悪人でもない。


 要するに、人間らしいということなのだろうか?


 性格に難があるかと問われれば、間違いなく「ある」のだが。


 僕は覇王丸の人物評を、ひとまず保留にした。


(それにしても、我ながら冷静さを欠いてしまった。誰かの命を奪うために奇跡の力を使うなんて、嫌だったはずなのに)


 むしろ、最後の方はトドメを刺す勢いで奇跡を使っていたような気がする。


「まさか……。僕が罪悪感を抱かなくてもいいように、わざとろくでもない人間のふりをしていたのか!?」


 いや、そんなわけがない。


 一秒で思い直した。


 現在、覇王丸は意識不明のまま、病院で精密検査を受けている。


 全身に酷い痣と裂傷ができているが、恐らく、骨や臓器にも深刻な損傷があるだろう。


 そもそも、即死でなかったことが驚きなのだ。さすがの生命力と言わざるをえない。


(あの頑丈な体がリセットされるのは惜しいけど)


 とはいえ、転生しても性格が変わるわけではないので、環境さえ整っていれば、同じように屈強な体の持ち主に成長してくれる可能性は高い。


(食べるのに困らない……つまり、裕福な家庭か。できれば、勇者としての英才教育も受けてほしいから、貴族とか軍人とか、武官を多く輩出している家柄がいいんだけど)


 僕が転生先の候補リストを睨み付けていると、デバイスに通知が入った。


「お。覇王丸さんの容態に変化があったのかな?」


 だとしたら、転生先の選定を急がなければいけない。


 僕はデバイスを手繰り寄せ、通知内容に目を通した。

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