表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/1633

いいからやれよ! そして死ね!

きりのよいところまで毎日投降できるように頑張ります。

「なんで、助けないんですか!?」


 開口一番、夢に出てきた自称天使の男は、激しく俺を糾弾した。


「なんで、女の子を庇って、代わりにトラックに轢かれないんですか!?」


「無茶を言うな」


「そういう段取りだったじゃないですか! 昨日、説明したじゃないですか!」


「聞いていなかった」


「嘘でしょ!?」


 信じられない、とでも言いたげな表情。


 取り敢えず、俺は昨夜と同じようにソファに腰掛けた。


「というか、さっき、何事も無かったかのように立ち去ろうとしましたよね!?」


「あの状況で、俺にできることは何も無いからな」


「ああなる前に、できることがあったんですよ!」


 自称天使の男は身悶えして、ゴロゴロと床を転がった。


「そんなことより、お前、誰だよ?」


「名乗りましたよ!? 昨日、最初に! 山田タロエルですっ! 守護天使ですよ!」


「山田か。此処はどこだ?」


「僕の仕事部屋です。昨晩も、今も、意識だけこっちに来てもらっているんですよ」


「ふーん」


 俺は室内を見渡した。


「漫画は?」


「ねぇよ! 仕事部屋だっつってんだろ!」


 とうとう、山田の口調が、敬語からタメ口に変わった。


「昨日は感動したのに。勇者の中の勇者だと思ったのに……」


「何の話?」


「だから! 昨日、全部、説明したんだよ! あんたが聞いてなかったんだよっ!」


 今度は「あんた」呼ばわりされた。


 山田が言うには、俺は間違って地球に生まれてきた勇者なので、本来、生まれるはずだった世界に転生する必要があり、そのためには一度、死ななければいけないらしい。


「こうなったら奇跡を使います。時間をほんのちょっとだけ戻すので、今度こそ女の子を助けてあげてください」


「え? 助ける義理なんて――――


「いいからやれよ! そして死ね!」


 守護天使のセリフとは思えない暴言を浴びせられた瞬間、俺の意識は暗転した。

評価、ブックマーク、感想などをいただけると嬉しいです。

別作品の「異世界人事部転生」もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ