表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
576/1752

王女奪還作戦 無事に帰還

毎日1000文字を目標に続きを書いています。

次回の更新は明後日です。

 地下牢から解放されたアヴィド侯爵は、かなり憔悴し、落ち込んでいる様子だったが、俺が交換条件として、侯爵家が取り潰しにならないように口添えしてやると申し出ると、一も二もなくその提案を受け入れて、正規軍と直ちに和睦するように南部軍に命令を出した。


 溺愛していた息子よりも、自分や家族の命を優先させた形になるが、それも仕方ないだろう。


『いいんですか? 勝手にそんなことを約束して』


(俺は口添えするだけだから。それを聞き入れるかどうかは王様の自由だろ)


 反乱を起こした一族の末路は悲惨なものと相場が決まっているので、アヴィド侯爵としては一縷の望みにかけた形なのだろう。


 とはいえ、反乱鎮圧の立役者である勇者の提言を無視することは、国王にとってもそれなりのリスクを伴う行為のはずだ。


 さすがに無罪放免になることはあり得ないだろうが、領地と特権の大部分を剥奪された上で、地方の小領主として生き残る未来はあるのかもしれない。


 セリウスは、ノトスヴァイナの防衛任務に就いていた部隊を再編し、アヴィド侯爵の命令を南部地域の各地に伝達する早馬を、次から次へと走らせた。


 これらの反転攻勢につながる準備行動は、皮肉なことにシャードがスエービルランス王国軍をノトスヴァイナの警備から遠ざけていたことが功を奏して、迅速に進められた。


 スエービルランス王国軍にとっては、夜が明けたら補給線を断たれた状況で四方八方を敵に囲まれているという、悪夢のような未来が待っているはずだ。


     *


 ノトスヴァイナでできることをひと通りやり終えた後、俺はロザリアと侍女を連れて王都に帰還することにした。


 一刻も早くロザリアを安全な場所に連れて行きたかったのと、俺たちの帰りを王都で待っている人たちを安心させたかったからだ。


 ただ、俺たちが全員で引き揚げてしまうと、アヴィド侯爵が翻意して敵に回る可能性もゼロではないので、ゲンジロウ爺さんとハウンドの二人は監視の名目で引き続き南部侯爵の屋敷に残ることになった。


「覇王丸、くれぐれも陛下に適当な報告をせぬようにな。それだけが心配だ」


「もっと他に心配することあるだろ」


 十中八九、俺たちの勝利が確定している状況とはいえ、スエービルランス王国軍を国境線の向こう側に追い返すまでには、まだまだ多くの死傷者が出るはずだ。


 勝ち逃げを許すのではなく、痛み分け以上の結果を求めるのであれば、これはどうしようもない。戦争とはそういうものだ。


「また日を改めて、迎えに来るよ。それまでに油断して、大怪我したりしないようにな。この街が戦場になる可能性だってあるんだから」


「心配無用だ。ワシを誰だと思っておる」


 ハウンドもおるからな、と。


 ゲンジロウ爺さんは随分とハウンドのことを高く買っているようだが――――


「言っておくけど、そいつ、魔王軍に寝返った前科持ちだぞ」


「ば、馬鹿! 今、そういうことを言うんじゃねーよ!」


 わざわざ波風を立てるな、さっさと王都へ行きやがれ、と。


 俺は見送りに来たはずの二人に追い立てられるようにして、ノトスヴァイナを後にした。


 その後はワタシの背中に乗って、しばしの空の旅だ。


 行きはハウンドと悠々自適な二人乗りだったが、帰りはロザリアと数名の侍女に取り囲まれた満員電車状態。しかも、全員が高所を怖がって俺の腕やら体やらにしがみ付いていたので、かなり窮屈だった。


(ハーレム状態だから悪い気はしないけど)


『けっ』


 山田がやさぐれていたが、勿論、俺は無視をした。


 そして、俺たちが王都に戻ると、案の定というべきか、王城の人間がほぼ総出に近い状態で中庭を取り囲み、俺とロザリアを出迎えてくれた。

評価、ブックマーク、感想などをもらえると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ