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次回のお楽しみ

毎日1000文字を目標に続きを書いています。

次回の更新は明日です。

 マキちゃんに相談した結果、


「――――ああ。これって、天使の人たちが使っている言葉だねー」


 なんと、いきなり進展があった。


 昨夜、マルマルから、マキちゃんの個人情報が記載されたファイル(年齢の横のところ)に書かれていた注釈の文言を、口頭で教えてもらい、紙にメモしておいたのだ。


 そのメモ書きを見たマキちゃんは、ひと目見るなり、即答した。


「読めるのか?」


「読めないけど、こういう感じの文字を見たことはあるよー。うん。間違いないね」


 これは世界管理機構で使われている公用語である、と。


 マキちゃんは自信たっぷりに断言した。


「これが、天使の公用語なのか? 俺の担当は、日本語を話しているけど」


「私の担当も、日本語で話しているよ。日本人の勇者が多いから、天使の中でも日本語を話せる人たちが選ばれたんじゃない?」


「……ああ。そういうことか」


 言われてみれば、たしかに納得だ。それくらいの理由がなければ、アホで変態で役立たずの山田が、勇者の守護天使に選ばれるはずがない。


 そして、この未知の言語が天使たちの公用語だというのも、納得できる。マルマルは担当の仕事部屋から自作のPCを使って、世界管理機構のどこかにあるデータベースに侵入し、勇者の個人情報が記載されたファイルを盗んだのだ。世界管理機構にある文章データが、世界管理機構の公用語で書かれているのは、当たり前のことだと言える。


「これ、何なの?」


「十一人目の勇者の謎に関する……か、どうかは分からないけど、ヒントみたいなものかな。守護天使の仕事部屋で、絶対に見ちゃいけないやつを、こっそり盗み見たんだ」


「だから、担当にも秘密なんだね。悪いことしてるなぁ……」


 マキちゃんは呆れたように呟いたが、まさかこれが自分の年齢に関する注釈だとは、夢にも思っていないだろう。


「まあ、自分で色々と調べたくなる気持ちは、分からなくもないけどね。あの人たち、結構、私たちに秘密にしていることがあると思うし。何と言っても、あの人たちの都合で、こっちは人生を振り回されているわけだから」


「お。マキちゃんの口から、そんな言葉が飛び出してくるとは、意外だな」


「意外でも何でもないよ。こんな波乱万丈な人生になるなんて、思っていなかったし。もし、別の世界に召喚されたりしないで、地球で平和に暮らしていたら、今頃、私は家庭を持って、幸せな人生を歩んでいたかもしれないんだよ?」


「……それは」


 それはどうかな? と。


 反射的に言いかけてしまったが、俺は途中で言葉を飲み込んだ。


「それは? 何?」


「それはそうと……って言ったんだ。マキちゃん、さっき年齢について聞かれた時に、異様にドモっていたのは、何でかなって」


「……それ、まだ聞くの?」


 マキちゃんは嫌なことを思い出したと言わんばかりに、露骨に顔をしかめた。


「うーん……。どうしようかなー。教えてあげてもいいけど、今、このタイミングで言うと、私が疑われちゃいそうな気がするんだよね」


「マキちゃんのことは、疑わないって言っただろ」


「……じゃあ、また、こういうことを覇王丸君と話す機会があったら、その時に教えてあげるよ。私のことを疑わないのなら、信じて待っていてくれるでしょ?」


「そうきたか……」


 マキちゃんのくせに小賢しいと思わなくもないが、今はそれでヨシとすべきだろう。


 答えを保留にされたことで、少なくとも「何かの理由がある」ことは確定したのだ。


 そして、正解は次の機会に教えてもらえるのだから、慌てる必要はない。


「一応、確認しておくけど。マキちゃんも、たとえ何があっても、俺たちの味方だよな?」


「勿論」


「じゃあ、それでいいや。教えてくれる時は、お互いの守護天使がいない時に頼むよ」


「なら、サインを決めておいた方が良いねっ」


 何にする? と。


 楽しそうに笑うマキちゃんと軽いノリの作戦会議をしているうちに、俺たちは目的の場所に到着した。

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