味方はいる
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次回の更新は明後日です。
「そもそも、ザントブルグ王国の領地を魔王軍から解放してくれたのは、獣人国ですし。その獣人国とは国境を接しているので……。国としては、仲良くする以外の選択肢が無いんですよね。これ以上、関係を悪くすることは避けたいです。みんな仲良く! みたいな」
最後は勢いで押し切った感があるが、発言内容は至極まともだ。
第二方面軍と共闘する場合、最も割を食うのはザントブルグ王国なので、国として生き残るためには、獣人国と敵対する選択肢はあり得ないのだろう。
「――――あ。あと、私も勇者様のことは、信頼しています。個人的にお慕いしているというか。将来のことも考えていたりして」
「やめろ」
油断していたところに、突然、奇襲するかのごとく爆弾発言をぶっ込んできたハミットを、俺は慌てて叱責した。
「お前、ふざけんなよ」
「言っておく必要があるかなって」
「無いよ!」
仮にあったとしても、それは国際会議の場で言うべきことではない。
「お前、怖いんだよ」
「へへ」
「笑い事じゃねーぞ」
何が怖いって、何の既成事実も無いのに、自分の立場をフル活用して、外堀を埋めようとしてくるのが怖すぎる。
ハミットがお飾りの王様で本当に良かった……というか、まかり間違って、実権を掌握してしまわないように、クイスリンクをはじめとするザントブルグ王国の貴族たちには、しっかり監視してもらう必要があるだろう。
とんだ茶番のせいで、気まずい静寂が場を支配する中、
「……誰も発言しないのであれば、私が話してもよいだろうか?」
遠慮がちに手を挙げたのは、これまた俺の知っている顔――――スエービルランス王国の皇太子だった。もう、父親の跡を継いで戴冠したのだろうか?
「本来、我が国には、この会議に出席する資格も権利も無いのだが……。国の危機を救ってもらったという点では、私も、彼に恩義を感じているので、第二方面軍との共闘に反対の意思表示だけは、させていただきたい。我が国に間者を送り込んできた首謀者が、征龍候だという話も耳に入っているので、尚更のこと」
「そういうことであれば、大聖堂が襲撃された事件についても、捕らえた実行犯から、計画の首謀者は征龍候であるという供述があったと、報告を受けております」
そう言ったのは、神聖教会の法王だ。
何というか、俺の知っている「偉い人たち」が、全員集合した感じだ。実際、オット大陸の要人が一堂に会しているのだから、当然なのだが。
(結構、たくさんいるんだな。……俺の味方をしてくれる人が)
てっきり、大多数に反対されて、針のムシロ状態になる可能性も想定していたので、この展開はありがたいというか、嬉しい誤算だ。
もしかすると、征龍候の思惑の中には、人間の勇者が孤立すること――――俺と人類国家の為政者たちの関係に亀裂が入ることも、含まれていたのかもしれない。
だが、そうはならなかった。
征龍候がオット大陸の各地にばら撒いた不和の種は、俺が芽を摘み取り、地盤を踏み固めた地域では、残念ながら育つことができなかったようだ。
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