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進化の魔王と覚醒の覇王。 ~転生する前から世界最強~  作者: とらじ
アルバレンティア王国と神聖教会編
103/1636

俺と戦いたければ、まずはこいつらを倒せ

毎日1000文字を目標に続きを書いています。

隔日で更新できるように頑張ります。

「要するに、爺さんと模擬戦をして勝てばいいんだろ?」


「まあ、勝てれば文句なしだの。ただ、こちらも手加減はせんが」


 ゲンジロウ爺さんは手にした木剣の長さを確かめながら、何度か素振りをした。


 両手で持った木剣を振り下ろす度に、シュッという風切り音が聞こえてくる。


 たったそれだけの動作が、素人目にも恐ろしく洗練されているように見えた。


(……もし、勇者の特性を持っている奴が、子供の頃から爺さんになるまで剣道を続けていたら、どれくらい強くなるんだ?)


『そりゃ、剣聖って呼ばれるくらいには、強くなるんじゃないですか?』


(それ、絶対に勝てないじゃん)


 なんとなく、あの爺さんなら、真っ向勝負でもサルーキに勝ってしまうような気がする。


『大丈夫です。技術は天井知らずだとしても、体力や筋力は老化で相殺されますから。純粋なフィジカルでは覇王丸さんに分がありますよ。……多分』


(逃げ回って疲れさせるか、サルーキと戦った時みたいに、強引に腕を掴んで殴り合いに持ち込むしかないのか)


 だが、仮にそのような勝ち方をしたところで、金髪の男を納得させることはできないだろう。


 いずれにしても、もう少し情報が欲しいところだ。


「お前ら、ちょっと来い」


 俺は後ろを振り返り、馬車の近くで見物人と化していた二人組の男と、ついでにハウンドを呼び寄せた。


「まずは、こいつらが爺さんの相手をする」


「何だと?」


「爺さんがどういう戦い方をするのか、先に見てみたい。だから、俺と戦いたければ、まずはこいつらを倒してみせろ」


「ふざけるな! そんな理屈が通用するか!」


 案の定、金髪の男は即座に却下したが、


「別に構わんよ」


 ゲンジロウ爺さんはあっさりと承諾した。


「ゲンジロウ!?」


「こちらも強引なやり方をしているのですから、それくらいの条件は飲むべきでしょう。そもそも、勝つことが目的ではないのですから」


「だが、剣聖があっさり負けたなどという噂が広まれば、人類軍の士気に関わるぞ」


「ま、簡単に負けたりせんよ。殿下はそこで見ていてくだされ」


 ゲンジロウ爺さんは金髪の男との会話を打ち切り、俺に向き直った。


「おぬしの言うとおりでいいぞ。最初の相手はそこの二人組かの?」


「そうだ」


 俺は頷いて、既に兵士から渡された木剣を構えて、戦隊もののヒーローのようにカッコいいポーズを決めている二人組の男を見た。

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