第二次世界大戦27
第二次世界大戦27
アメリカ艦隊の利点は空母1隻あたりの戦闘機の搭載量が欧州諸国より30機は多いこと。
さらに、個艦防空能力が圧倒的に高いこと。
これはアメリカ海軍の大きな強みだった。
ヨーロッパ連合艦隊の強みはそもそもの空母の数が多いからダメージを1隻が受けてもその他の空母はまだ健全なので1隻あたりの被害はヨーロッパ側が少なくなる。(戦時商戦型空母が6隻。)
あとは、単純に中型艦艇が多いことだ。
スペインは多数の南米の大西洋側に配備していた重巡洋艦を動員していた。
さらに、潜水艦の数も英国とフランスとスペインとイタリアとソ連ですごい数になっていた。
まぁそちらはアメリカもそこそこの数を持っていたし当時の潜水艦は潜水艦同士の戦いは厳しかったのでまだ戦いようがあった。
そして、アメリカ側が心配していたのはカリブ海エリアからの空爆だった。
既にニューヨークが空襲されているためアメリカ政府の警戒感はかなり強かった。
さらに、議員達が自分の選挙区に対空機関銃を配備したがったり大変だった。
そして、統合参謀本部はカリブ海への敵艦隊の侵入阻止と陸軍と協力して敵のニューヨークへの上陸阻止を実施しなければアメリカに栄光は無いと考えていた。
先に敵艦隊を見つけたのはヨーロッパ連合艦隊だった。
すぐに発見した偵察機は発見信号を艦隊に通達。
ヨーロッパ連合艦隊の空母11隻から480機の大群が第一次攻撃隊として発艦した。
主なヨーロッパ側の航空機はシーファイアー、フルマー、メッサーシュミット404等。
(ドイツが開発した海軍型メッサーシュミットで性能は零戦より少々劣るかなというぐらい。エンジンは空冷式エンジンで機銃が前後に二基。爆弾搭載量は500ポンド2個か、1000ポンド1個。
ちなみに魚雷搭載型の雷撃機もあった。)
そして、アメリカ海軍の迎撃機も発進した。
これは、F-2A.F-4U.F-4Fの三機種で合わせて150機。
すべてが対空兵装に切り替えられた迎撃機で艦内には既に爆撃機や雷撃機もスタンバイしていた。
そして、彼らの迎撃の切り札があった。
日本海軍が開発した紫電だった。
ここ半年の研究で試作機が30機ほどアメリカで作られてサラトガに配備されていた。
日本側としてはとりあえず実験として使えればいいなーぐらいにしかまったく思っていなかったけれどアメリカ側としては次世代型艦上戦闘機がまだ思うように出来ないだけに期待を寄せていた。
機体設計は日本でパイロットも日本人だったがエンジン、機銃ともにアメリカ製でかなりの高性能な品質だった。
そして、彼らも実戦に初投入された。
攻撃隊は急降下爆撃機と雷撃機を真ん中にとりあえず前面に護衛戦闘機を並べていた。
彼らは敵艦隊まであと20キロほどのところで迎撃隊とぶつかった。
激しい弾幕と空中戦が繰り広げられる。
連度的にはヨーロッパもアメリカもあまり大差はなかった。
海軍の大艦隊同士の戦いはこれが初で空母決戦は本当のはじめてだった。
そして、迎撃隊の少なさから攻撃隊は迎撃隊の網をくぐり抜けてアメリカの空母に向けて各方向から攻撃を加えようとする。
しかし、艦隊に迫ろうとしたとき後方から激しい銃撃を受けた。
そう、紫電である。
四基の機銃から放たれる20㎜弾と7.7㎜弾が敵航空機を粉砕する。
まぁそうは言っても30機なので敵の護衛戦闘機と戦闘になって結局およそ100機ほどが迎撃をくぐり抜けて艦隊に到達した。
急降下爆撃隊は激しい弾幕にさらされて次々に落ちていく。
しかし、それでも爆撃隊は500ポンドを空母に落とそうと必死に狙いを定める。
そして、二発が空母レキシントンに着弾した。
甲板上で激しい爆発が起こった。
さらに、一発は司令部がある艦橋に激突してそこの形が大きく変わるほどだった。
艦長以下艦橋にいた要員は即死だった。
そして、護衛艦艇にも敵は殺到する。
駆逐艦や、軽巡洋艦などの装甲が薄い艦艇に着弾すると激しい爆発とともに沈んでいく。
敵雷撃機も側面から空母や戦艦に突入した。
空母レキシントンとサラトガが側面攻撃を受けそうになるがサラトガには旧式のサウスダコタが盾になった。
4発の魚雷がサウスダコタの左舷に当たって爆発する。
所々浸水が起こるがさすが戦艦、沈みはしない。
しかし、レキシントンはそうはいかなかった。
運が悪く近くの艦艇は守りきれずに甲板で火災が起こるなかさらに魚雷が6本殺到。
いくらダメージコントロールがうまい米軍艦艇とはいえども様々な場所で炎が吹き出して艦が傾き始めた。
レキシントンには退艦命令が出されて午後2:50分に沈没した。
さらに、ヨークタウンにも二発500ポンド爆弾が当たったがこれは至近弾と艦後方だったためまったく問題はなかった。
さて、アメリカ海軍の反撃が始まろうとしていた。
次は日曜日です。




