第二次世界大戦4
第二次世界大戦4
1938年10月1日 ロンドン イギリス外務省
駐英日本大使の富樫堅太郎はロンドン外務省から緊急で呼び出されていた。
彼は遂にインドでの件がバレたかと思い急いで英国外務省に向かった。しかし、彼に渡されたものは抗議文書ではなく「宣戦布告する」という文書だった。
「これは?」
彼は思わず英国の外務大臣になぜこれをと聞いた。
まさか、こんな早急に英国政府が戦争を決断するとは思っていなかったからだ。
まぁそれもそのはずでヨーロッパや、アメリカ大陸には多くの日本のスパイが入り込んでいる。例としては国防総省直轄のJIA(日本国防情報局)や、枢密院直下のNINJAと呼ばれる非合法諜報組織である。
まぁそれは置いといて、彼らに情報が漏れないようにこの事を知っていたのはチャーチル首相と国王、さらに外務大臣に作戦統括を行う参謀長だけだった。
なので、日本のというか、日本連邦やフランス、ドイツなどの各国も誰も知り得なかったのだ。
そして、外務大臣は大使の言葉を無視した。
10時25分 新潟 新潟港
その日は深い霧がかかっていて一キロ先も見えないような日本海だった。
沿岸警備隊の巡回任務を行っていた隊員が最後に灯台のチェックを行っていた時、うっすらと大きな船が見えた気がした。
彼は双眼鏡を取り出して覗いた。
すると明らかに大きな船が見えた。
海軍の軍艦だろうかと思ったが日本の国旗を掲げていないのでどこのだろうかと思ったときだった。
かすかに横線と縦線、斜め線に青い色の生地が見えた。
ユニオンジャックだった。
「まさか...本部に報告しないと!」
隊員は急いで灯台を降りて本部に向かった。
同時刻 高田駐屯地
高田駐屯地には日本海を監視するレーダーがあった。
ちなみに日本海にはレーダーは金沢、輪島、高田、秋田、村上、つがる、敦賀、舞鶴、鳥取、松江、出雲、萩にある。
そして、高田駐屯地のレーダ施設には15人の隊員が詰めていたが大騒ぎだった。
ちなみに村上でも同じような感じになっていたが東京への報告で隊員が走り回っていた。
11時30分 新潟港
隊員から連絡を受けた新潟港沿岸監視署はすぐさま東京への報告と新潟港というか新潟全域に警報を発令した。
同時刻 新潟市街地
「ウゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
新潟港から発令された緊急警報が町中に響き渡った。
市民は音を聴いて空を見上げる。
そして、北の空から爆音が聞こえてくる。
「なんだ!?」
北の空から飛んできたのは英国空軍の爆撃機だった。
「逃げろ!!」
街中の人が逃げ惑う。
防空壕がすべて開け放たれて市民が殺到する。
最初の英国空軍の目標となったのは新潟の警察省保安局の基地だった。そこには複数の戦車や装甲車が置いてあったので先に攻撃目標となってしまったのだ。
さらに、新潟県庁、応援部隊が来るのを少しでも遅らせるために新潟駅と北陸本線と羽越本線の線路、新潟防空砲台が攻撃された。
街の人から敵国によって我が国が蹂躙されている様子に見えて疎開する人が増えた。
さらに、30分後にはさらなる悪夢が襲う。
市街地にイギリス海兵隊が入ってきた。
既に新潟港にはイギリスの前線基地が置かれ、海兵隊20000万人が市街地に展開した。
警察当局は混乱していて対応できず、市民の中には抵抗を試みる屈強な市民もいたがその度に彼らは殺されてイギリス軍に新潟市は無防備都市宣言を出して降伏した。
11:30入間空軍基地兼首都圏広域防空警備所
「はぁー、今日も退屈だなー。」
監視員が今日もゆっくりくつろいでいた。
今日は晴天で雲一つない青空だった。
首都圏域では攻撃なんてあるはずがない。
これが首都圏域の人間の考えだった。
そもそも広域防空司令部だって首都圏が攻撃される可能性は万に一つもないという結論を出していた。
そして、政府が予想だにしない事態が起こった。
うっすらと飯能の方から低空を飛行する機体群が見えた。
監視員は幻だろうかと目をこすった。
そもそも飯能の方に空軍基地はないしそもそもあんな大編隊を組むことなんてまずあり得なかった。
「どういうことだ?」
彼は新潟で起こったことを知らなかった。
なので判断することができなかったが突然滑走路が攻撃された。
広域警備所は滑走路がある空軍基地から1、5キロ離れていた。
彼は何者かが首都圏域に攻めてきたことをようやく理解した。
彼は急いで監視塔を降りて通信所に向かう。
彼はバンと扉を開けた。
通信員が「おい、静かにあけろ!」と怒鳴るが彼はそんなことを気にせずに上官のところに行く。
「永田三佐に緊急報告!西の空から正体不明の航空機の大編隊が首都圏域に接近中。入間空軍基地の滑走路が破壊されました。」
彼は急いで報告したが実物を見ていない上官はさらに混乱した。
しかし、外から激しい爆発音が聞こえた。この通信施設は地下にあり監視塔と保安所が外にあった。そのためそれらが破壊される音が地下まで響いてきたのだ。
永田三佐は焦ったように直通ボタンを押した。
「こちら、入間より立川総合へ。緊急事態発生。入間が攻撃された。国籍は不明。首都圏に向かって爆撃機と戦闘機の大群が接近中。」
「こちら、立川。了解。」
向こうも焦った声で送ってきた。
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