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植民地主義の陰りと日本連邦発足4

 植民地主義の陰りと日本連邦発足4


1907年 3月10日 カブランサカ モロッコ総督府

モロッコ総督府の前にはおびただしいほどの群衆が集まっていた。彼らは皆、首相の声に触発されたのか「モロッコ人によるモロッコのための政府創設」のプラカードを掲げていた。既に総督府の前には1000人の軍人が待機していた。中の田中総督のもとには既に日本本国政府からモロッコ自治政府と交渉を行い今後の進退を決定するので余計なことは引き起こさないようにと連絡があった。デモ隊が敷地内に強硬突入してくれば話は別だがそんな雰囲気は全く今はないので大丈夫そうだが中の職員達には多少まだ笑顔があった。


1907年3月12日タンザニア ダルエスサラーム タンザニア総督府

こちらで非常事態が起こっていた。モロッコ首相の発言を受けてタンザニア解放を訴えてこちらの大富豪が独立だ!!といって運動を始めたのだ。日本政府はとりあえず独立運動は放置という路線だった。しかし、ここまでは許容できないラインを越えてしまったのだ。

「総督府を制圧するぞー!」

タンザニア人大富豪ナカールの掛け声で数百人規模の集団が雪崩れ込もうとしてきたのだ。いくらタンザニアが日本にとっての戦略上重要ではなくても総督府に雪崩れ込まれるなんて許されるわけがなかった。正面警備の国防軍人はおよそ150人。敷地内警備は合わせて500人。軍人達が慌ただしく動き回る。

「すぐそこまで迫っているぞ!」

屋上待機のスナイパーから緊迫する連絡が入る。

「門をすぐに閉めろ!」

軍人たちがバリゲートの構築も同時平行で始める。

「緊急連絡を総督府長官に入れとけ。あと、あいつが本国の指示どうこうとか言ってきても無視しろ。軍は憲法と治安維持法に基づきゴム弾を使用して突入してきた場合対処する。そう伝えとけ。」

「了解しました。」

「屋上より、下へ。デモ隊は中央玄関まで50m。」

「総員、発砲用意!」

一斉に正面警備の150人の部隊が一斉に銃口を構える。

「デモ隊正面!」

「速やかに止まりなさい!こちらは発砲許可を得ています!速やかに撤収しなさい!」

一応軍は勧告するが冷静さを失ったデモ隊には通用しない。それどころか火炎瓶が飛んできた。そして、それはこちら側に着弾する。着弾点が燃えている。

「発砲せよ。」

国防軍は発砲を決意。

パンパンパンパンと乾いた発砲音が辺りに響き渡った。それに奥から警察のパトカーのサイレンも聞こえてくる。そして、デモ隊の動きが止まった。

先頭を走っていたデモ隊の一員がゴム弾にやられたのだ。

「おい、大丈夫か!」

そっちでやり取りをやっている間に後方の警察当局の保安隊がデモ隊に迫ってきていた。そして、後方のデモ隊と保安隊がぶつかった。盾を装備している保安隊の前にデモ隊はどんどんけちらされていく。そして、先頭の方にいたデモ隊も撤収していった。

しかし、ここでデモ隊に発砲したことは本国で大きな問題になる。




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