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植民地主義の陰りと日本連邦発足3

 植民地主義の陰りと日本連邦発足3


1907年 3月9日 東京 枢密院緊急集会

第17代名誉宰相の松風隆盛の名の元に緊急集会が開かれた。既にこの頃には名誉宰相は名だけの存在になり始めていた。要するに確かにgoサインは出すけど内閣に任せる。そういうタイプの人が多くなっていた。しかし、彼は違った。本人が思ったことを言ったのだ。

「みんな、集まってくれてありがとう。最初に俺から今回の案件に対する俺の考えを言うから聞いて欲しい。別に俺の意見に賛成しなくてもいいし、流してくれても構わないが俺がこう思っているってことだけは知っていて欲しい。俺は今回のモロッコが独立したいっていうのは認めてもいいと思う。確かに痛手だけど最近、軍の防衛範囲が広すぎる気がしていたし大西洋とかインド洋を守るのは別に日本ではなくてもいいと思う。あと、日本との関係が確かにモロッコに関しては深いけどもあそこまで現地の首相が言ってしまったから現地では独立運動がかなり大きくなっているみたいだった。俺はアフリカだけで済ませるつもりだから日本のアジア経済圏は譲るつもりはない。そもそも同化政策開始から既に約250年。たぶんアジアは独立しないと思っている。だけどアラブまでは飛び火してもおかしくない。アラブに独立運動を起こされる前我々主導で新しい体制を作っていかないと斜陽帝国イギリスみたいになる。そして、俺が考えたのは日本連邦を作りそして、アラブ、アフリカの旧植民地国を加えた巨大経済圏構想、通称 JEZ 日本経済圏協定を作り日本が主導して旧同じ国同士で頑張ろうよっていうシステムを作るといいと思う。ただこれをすると国内企業や、野党、国民から猛烈な反発を食らうと思うけどそれでも俺はこれを押したい。」

それを聞いた他の枢密院議員たちも大臣たちも黙った。初期の頃の名誉宰相はどんどん政治に介入してきていたが最近は介入はしていなかったしそもそも対して頭がよくなくてしゃべらない宰相が多かった。そもそも自分から政策を出したのは何代ぶりだろうか。そして、これは外務省や、軍にとって良いことだった。ただしすべての旧植民地国がこれに入るかどうかは分からないが現状では最強の一手だった。

しかし、それに異を唱える人が現れた。既に空気は名誉宰相が出した政策の方へ傾いていたときだったのですごいだるって感じで見られたのは、枢密院議員の仙石孝輔だった。彼は戦国時代に天王山の戦いで武勇を挙げた仙石家の子孫である。仙石家は江戸時代はフィリピンを中心に開発をしていて1830年代頃からモロッコを中心に他にもアフリカで鉱山を経営している仙石財閥を持っていた。そして、仙石家はここで日本政府の手綱が切れると自信が持つ財閥が危険だと思ったのだ。

「私は反対です。アフリカに利権を持っている企業の株価が大幅に下がって経済危機になる可能性があります。それを阻止するためにはやはり、列強各国にならつて鎮圧をするべきです。」

「それは、あなたの財閥がアフリカに利権を持っているからではないか!!」枢密院議員の羽柴英俊が反論する。

「しかし、それによって経済危機が起こるなど困りますな。」

枢密院議員の竹中聡も仙石に多少は同意する。

「まぁ確かに経済危機は困りますな。」

他の何人かの枢密院議員も同意する。そこに、枢密院議員伊達直正も入ってくる。

「しかし、あなたの財閥のことなんて知ったこったないし日本国全体の利益から見て判断すべきです。」

「いや、ここは武力介入だ!」

「武力介入って言ったって現地部隊はカブランサカの一個師団とマラケシュ、ラバト、アガディールの各6000人の警備部隊。それにカブランサカ海軍基地の海兵隊10000だけですよ。一番近くてもナミビア、アンゴラの各警備部隊か、中東に展開している海兵隊と外征担当陸軍合わせて30000。どちらも一週間以上はかかります。いつ何があるのかわからないのにすぐ武力介入ではなく出動用意で事態が起こったら展開。起こるまでは話し合いをするしかないでしょう。」

竹中枢密院議員が妥協案を出す。

「しかし、」さらに仙石議員が反論しようとしたときに扉が開く。

「大変です。テレビで情報を聞き付けた市民たちが議会の回りに続々とプラカードを持って集まっています。」

「ちっ、」

「安全確保のために一時移動します。皆様ついてきてください。」

国防軍の近衛隊の兵士が誘導して彼らは枢密院本会議場から姿を消した。枢密院の最終決定は最後避難の途中に名誉宰相が緊急行使権限で自らが決めた政策に決定。72時間は彼の決定が有効となりまた、速やかに立法議会にその政策案の提出が行われた。

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