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第一次世界大戦の終結へ3

 第一次世界大戦の終結へ3


同日 19時

ベルリンの街は静まり返っていた。衛兵は主に宮殿と各地の門を中心に警備していた。既に首都兵団は治安維持任務と言って首都内部に展開しており本隊の宮殿襲撃と同時に各門と警察本部と官庁街を制圧することになっていた。

そして、時間になった。

ドッチュランド中将の友人が指揮する部隊のドイツ秘密諜報局の職員が宮殿正面の門を開いて首都兵団本隊を秘密裏に宮殿に入れた。そして、彼らは食事の間にまで向かう。国王は食事中だった。首都兵団と秘密諜報局員は勢いよく扉を開けた。

「どうした!?」

国王の驚いた声が、聞こえる。

そこに、多数の兵士とビスマルクが入っていく。

ビスマルクを見た国王は、

「なっ!?ビスマルクは監禁していたんじゃないのか!?」

そう言った。それに、ビスマルクが答えた。

「お久しぶりです。ヴィルヘルム二世陛下。先程まで監禁されていましたよ。あなたの指示だったんですね。陛下、退位していただきます。」

「なっ!?そんなこと世は認めんぞ!!!」

「それはこの状況を見て言うことですか?」

多数の兵士が一斉に銃口をヴィルヘルム二世に向ける。

「っ、」

「陛下、あなたのお父上には多大なる恩があるのですがここはドイツのために陛下には生け贄になっていただきます。」

そういうと何人かの兵士が国王をつれて行った。

ビスマルクは残った閣僚と兵士たちに宣言した。

「我らがドイツは自由協商グループに降伏する!速やかに対外に知らせて戦争を終結させよ。」

「はっ!」

兵士と閣僚達が動き始めた。


1885年3月30日 第一次世界大戦が終結した。ある意味世界中の国を巻き込んだ戦争はわずか二ヶ月なくして終結した。しかし、この戦争で登場したあまたの兵器は次の大戦にて牙を剥くことになる。


1885年4月10日 ロンドン

ロンドンにイギリス、アメリカ、日本、ロシア、中国、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、ポーランド、オーストリア、イラン、タイ、ポルトガル、ギリシャとオーストリアに滅ぼされた各国の亡命政府の代表団が集まった。日本政府の代表は井上馨外務大臣だった。そこに、枢密院から徳川慶喜と伊達幸政が同行した。

講和条約というか、降伏文書締結が行われて新たな世界秩序の構築が行われた。

まず敗戦国の軍事制限がかけられた。

まずは、ロシアの制限がかけられた。まず他国侵略用と見なされる戦車は500両まで。陸軍兵は40万人まで。軍艦は戦艦と輸送艦の保持禁止。潜水艦は10000tまで。重巡洋艦と軽巡洋艦は各40000tまで。駆逐艦は35000tまでとなった。また、民主化を10年以内に行うことと、中央アジアの領土を独立させることとウクライナが求めるクリミア半島の割譲。満州の主権放棄。

次にオーストリアはギリシャをギリシャ臨時政府に返却した。しかし、それ以外は列強国的にはどうでもよかったので放置。まぁアメリカは民族自決を言ってきたがイギリスも日本も反対した。これ以上オーストリア情勢がぐだぐだになるのを避けたかったからだ。そもそもこの戦争の発端はセルビアが勝手に暴発したからなのだ。だからオーストリアにやはりひとつにした方が楽なのだ。日本もイギリスも既に利権はいっぱい持っているのでそもそも利権が絡む戦争などしたくないのだ。ただただ面倒で金がかかるだけなのだ。

次にイタリアだ。ここはかなり粘ったのだ。ドイツ降伏後はすぐに降伏したがドイツよりも粘った。スペインが占領した二島はイタリアに返却されたがイタリア植民地のリビアとソマリアをスペインがゲットした。ちなみにフランスはドイツ領カメルーンを得た。オランダや、ベルギーは独立した。また、海軍は制限が作られた。戦艦と重巡洋艦と輸送艦合わせて70000t。さらに、駆逐艦と潜水艦と軽巡洋艦と支援艦も合わせて65000tに決まった。

そして、ドイツだ。ここはすごいことになった。フランスとベルギーとルクセンブルクとオランダがすごい責め立てた。イギリスや、アメリカや日本が驚くほどだった。

まず、軍が撤廃された。治安維持隊が組織された。兵力は13万人。国境警備と治安の維持が任務だった。海はドイツ海軍は駆逐艦のみで40000tまで。さらに、対外侵略戦争をできないようにドイツ委員会が作られてすべての軍事の権限はそこが持つことになった。しかし、ポーランドや、オーストリアが攻めてこないように最低限度の戦力は持つことになった。アルザスロレーヌ地方は永久的にフランス領となることになった。

また、列強各国が持っていた中国権益を中国政府に返還した。香港を除き返還された。


そして、戦後の世界秩序は国際連盟が作られることになった。日本、イギリス、フランス、スペイン、オーストリアが常任理事国となり、敗戦国のイタリア、ドイツ、ロシアにトルコ、ブラジルが非常任理事国となり、ほぼすべての国が参加した。しかし、アメリカは参加せず世界三大国家の内の一つが参加しないということになった。しかし、これから世界は激動の時代を迎える。そんななか海外に大きな権益を持つ日本とイギリスの未来はどうなるのか。平和を謳歌する先進各国。新たな時代の幕開けである。




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