第一次世界大戦前夜3
第一次世界大戦前夜3
イギリス
円卓会議のメンバーがここに集まっていた。年長者であるヴィクトリア女王が口を開いた。
「諸君らはとっくに知っていると思うがMI6から信じがたい情報が届けられた。」
「ええ、ロシアが世界を巻き込む戦争を計画していると。」
チャーチル.ラングストン将軍が答えた。
「憂慮すべき事態ですね。」ロスチャイルド伯爵が言う。
「なにやら、ドイツのビスマルクの周りが騒がしいらしい。」
「オーストリアもきな臭いし恐らくそこを使って戦争開始だろうな。」
「フランスも同様の情報をつかんだのか、軍の強化を始めたようだ。」
「ベルネクス諸国も警戒を強めているようだな。」
「スイス軍が徴兵予備令を発令したみたいだ。」
「イタリア政府と軍、対仏国境のイタリア軍部隊も騒がしくなってる。」
それぞれの会議出席者がそれぞれ集めた情報を共有するためにあらゆる情報が飛び交う。
「各々そこら辺にして政府が命令を下すために意見をひとつにまとめよう。」
「それがいい。」
「どうなされますかな?」
そこで、現首相が口を開いた。ジョセフ.レシーフ元海軍中将である。
「政府としてはイギリス本国に上陸させないように、するのは当たり前で海軍による水際防衛とイギリス軍による沿岸で防衛。ベルネクス諸国から救援要請が来ると思うがそれには従わずロッテルダムで足止めする。フランスのドイツ戦線にはフランス自身に当たってもらい地中海の安全確保は我々が行うことにする。イタリア戦線は突破されそうなら部隊を送ることにする予定です。」
「では、それでいこうか。ただし、なんとしても本土への上陸は阻止せよ。これは大命である」最後にヴィクトリア女王の一言で会議は終わった。
ベルネクス諸国
オランダもベルギーもルクセンブルクも大騒ぎだった。なにやら周辺諸国の情勢がきな臭くなった。オーストリアだけだったのが欧州全域に広がったのだ。
イタリア
この国にも親書が届いていた。
それをカブールは見て悩んでいた。
それを友人であるムッチェーニと話していた。
「そうですか。ロシアから。」
ムッチェーニに厄介事だな。といった声にカブールは、
「ああ、国王陛下は余に一任すると言われた。すべて私の責任で行えと言うことだった。」
「それは、無責任な!!」ムッチェーニは憤りを見せるが
「仕方がなかろう。まだ統一から10数年。今、王室がなくなるのは痛い。責任を負わせるわけにはいかない。」
カブールはなにか決めているようだった。
「カブールお主はどうするつもりだ?」
「私は戦況を見守ろうかと思う。優勢な方につくそれだけだ。ただし、ロシアにはしっかり返信する。状況によって異なると。しかし、悪いようにしないとな。」
「中立ですか?」
「いや、必ずどちらかにはついて利を得る。それがイタリアが生き残る道だ。まだ、兵器は大丈夫だが今の兵器の進化ぐらいを見ると恐らく今から起こる次の大戦はかなり大きな被害が自国にも出るし敵国にも出る総力戦になろう。その時のためにイタリアは力をつけなければいけない。協力してくれるか?」
「ええ、この国のために。」
「ありがとう。」
欧州の火種は燻り始めいつ臨界に達するかは誰にもわからない。しかし、すべての国々が準備を始めた。