第一次世界大戦前夜2
第一次世界大戦前夜2
フランス
ジュール.クレヴィ大統領は当選したばかりだった。彼は毎日のようにたまっている書類にサインをして送り返す。そのようなことを永遠と繰り返していた。そこに、ある報告書が目に入った。対外治安総局から来ていた報告書だった。
「なになに、オーストリア帝国内で危険な内紛が発生している。それに便乗してロシアが暗躍している可能性あり。また、さらに戦争計画が進行している可能性あり。」
彼は厄介事が起きそうだと思ったが選挙に勝って当選した大統領である。ここで成果を見せなければ行けないと思い対応を始めた。恐らくここで無視していたら今のフランスはなかっただろう。彼が救国の英雄と呼ばれる戦いは今この瞬間に始まっていた。
フランス国防総省
「大統領から国防強化令101号が発令された。それに従って軍事予算が急遽増額された。国防軍としてはどこを強化するか決めなければならない。」国防長官が言った。彼は今回のことを話すために緊急国防会議を召集して現場の総司令官達を集めていた。ドイツ国境警備隊や、ベルギー国境警備隊。イタリア国境警備隊、スイス国境警備隊、スペイン国境警備隊である。それに中央軍と地方駐屯軍、海軍、情報部だ。
ドイツ国境警備隊
「我々としてはドイツ国境に塹壕を掘ってコンクリート固めの要塞を国境沿いすべてに置く必要があると考えています。どのぐらいの予算規模になるかはわかりませんが最も優先してほしいところです。さらに、技術開発部が作っている戦車?というものも戦力になるかもしれないので前線配備をお願いしたいところです。あと、情報部にはすぐに戦争の雰囲気が出しだい連絡願いたい。」
しかし、それにはベルギー国境警備隊が猛反論する。
「そもそもそんな金があるなら兵士の教育とベルギー国境警備隊に割り振ってほしい。はっきり言ってドイツ軍が計画しているだろうベルネクス側を通ってフランスに侵攻する場合ベルギー国境警備隊が対応するのですぞ。」
しかし、イタリア国境警備隊も
「もし、ドイツと戦闘になりイタリアがフランスに攻めてきた場合恐らく中央軍と地方駐屯軍はドイツ戦線に駆り出されてイタリア戦線が落ちる可能性があります。そうなったら国家の危機です。ですから、なるべく我々の方にも要塞が欲しいのですが。」
スペイン国境警備隊も
「そんなこと言ったらスペイン国境にも回してほしいですよ。本当にスペイン国境を警備するのにピレネー山脈のみというのはお粗末すぎます。我々は死力を尽くして守りますが要塞と塹壕がないと恐らくもって1週間です。それが終わるとトゥールズや、ボルドーが危険に晒されます。」
それを聞いたボルドーに海軍基地がある海軍が
「それは困る!ボルドーの造船所と付近の海軍基地が落とされるのは海軍が打撃を受ける。」
限られた予算の中で予算が足りない各警備隊が予算要求するなか国防長官は
「私としては、南フランス側は、日英の救援を受けるまで耐えるぐらいでいいがドイツとイタリア国境に関しては塹壕と要塞を設置していて独自でドイツ相手に戦闘することにする。あと、ベルネクス諸国に対してはオランダ、ベルギー軍とフランス軍は協力してこちらもイギリス軍が救援に来るまで耐えることにする。海軍にはトゥールズ港とマルセイユを死守。ブレストの部隊はドイツへの輸入をとめるためにデンマーク海峡に布陣させて封鎖しろ。地中海のチュニジア駐屯海軍は地中海の航海路を保護する。これでいいだろう。海軍には陸軍の拡張が終わり次第大統領に予算を出してもらえるように要請しておく。」
「了解しました。」
フランスの基本方針は決まった。しかし、あることを彼らは防衛忘れていた。それがフランスの命取りになるのだろうか。