表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/163

90、参加者3

 スウマが話していた騎士団を襲う魔物というのが、自分たちのような参加者である確証はなかった。だが参加者である可能性は高いと踏んでいた。

 そして参加者であるのならば、見つけるのは難しくないはずだとサソリは考えた。

 すでにどんな姿をしているのかは話に聞いている。

 ということは、自分たちと同じ参加者ならば、もし聞き込みをして見つからなかったとしても街の入り口をずっと張り込みしていればいつかは見つかるはずだ。

 だが実際にはずっと街の入り口で待ち続けるということにはならなかった。

「私たちは新参者なのでよく分からなかったんですけどー」

 ユラユラが告げる。

「こっちの狼さんも、そしてスウマさんがしたこともだいぶこの辺りで有名になってたみたいなんですよー」

 サソリさんが一日で調べてくれましたー。

 のんびりと言うユラユラ。実際、聞き込みを始めてから、拍子抜けするほど簡単に狼の元へたどり着いた。

 ハイランドがわずかに顔をしかめた。

「つまり、してやられたということですか」

「噂が間違いでスウマさんがいい人だったらよかったんですけどぅ」

「姿を変えていた僕が、因縁の相手だと気づいた理由はなんです?」

「それは……」

 ハイランドが以前に狼たちをいたぶった時、兵士と話していた会話がきっかけだったらしい。その時は、魔物が人間の言葉を理解しているなどとは思わなかっただろう。

 サソリたちの事情を聞いた狼は、即座にスウマを怪しいと考えた。

 ユラユラに向けてサソリは言った。

「教えてあげる必要はないんじゃないかな」

「……そうですね。内緒ですー」

 ユラユラは笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ