表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/163

9、自己紹介3

 わめく青年に苦笑をこらえながら、サソリは女性の言葉に耳を傾けた。

「選んだ魔物はケット・シー。二足歩行の猫ね。がんがん敵を攻撃するつもりよ。名前はマタタビ。よろしく!」

 簡潔な説明を一気に言い切って、女性は満足そうな表情を浮かべた。

 それから、最後のひとりに視線が移る。

 少年は物怖じするでもなく、まったく表情を変えなかった。声も落ち着いていて、元気を感じさせない。

「選んだ魔物は悪魔です。名前はカイト。どうぞ、よろしく」

 誰よりも短い自己紹介だった。

 それもしかして名前は本名なのでは、という疑問をサソリはどうにか飲みこんだ。その推測があっているにしろ間違っているにしろ、聞いたところでなんの意味もない。

 一通り終わったことを確認したからか、見守るだけだったガイドが話しかけてくる。

「では、これより皆様を異世界へと転送いたしますが、その前に大事なことを。あなたがたは森の中に転送されますが、まずは参加者用の街へと向かっていただきます。雪山の見える方角を目指せば、街を見つけることができると思います」

「目指さなかった場合はどうなるんですか」

 少年、カイトが聞いた。

 たしかにそのことはサソリも気になった。ガイド、もしくは彼女の属する集団に逆らおうと思ったわけではないが、指示に従わなかった場合、罰則などがあるのだろうか。

 カイトの質問に、とがめるでもなくガイドが答える。

「街にはあなたがたにとって有用な、いくつかの施設があります。参加者用の食事も街にしかないので、街にたどり着けなかった場合は、周囲の植物や倒した野生の魔物などを食べることになりますね」

 その言葉に何人かが顔をしかめる。

「あとは結魔石の説明ですが……いえ、なんでもありません。それでは、そろそろ転送いたしますね」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ