表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/163

77、話し合い

 相手が話をしてくれる様子を見せて、ユラユラはほっとした様子を見せる。

 事情を伝えるために彼女は告げる。

「ええとですねー。かくかくしかじかなんですよー」

 そんな彼女の言葉に、狼は人間へと視線を向けながら答える。

「かくかくしかじかじゃ、分からない」

「えー。分かってくれたっていいじゃないですかー」

 不満そうな様子でユラユラが言いながら、身体を移動させて空中に円を描く。宙を泳ぐように頭を下にして動くことを今までしていなかったので、その光景にサソリは驚いた。

 仕方ないことだと思ったのか、誰になにを言われるでもなく彼女は話をやり直した。

「細かい話ははしょりますけどー。つまりこちらの人間さんたちが、なぜあなたが騎士団を狙っているのかを知りたがっているんですー。あなたですよねー?」

「ああ、そうだな……」

 そう答えて、狼は鼻を鳴らした。

「理由を知ってどうするつもりだ」

「それはー……」

 ユラユラがふと、こちらを振り向いた。

 振り向かれたところでサソリは困るだけだが。意図を把握しかねていると、ユラユラが狼を向いて言った。

「お互いに得るものがあるかもしれませんしー」

「そんなものはない」

 言い切られて、ユラユラは困ったように空中で揺れる。

 とりあえずサソリは言った。

「ユラユラさん」

「なんですかー?」

「頼まれたのは通訳なんだし、理由とかはスウマたちに語ってもらえばいいんじゃないかな」

「ええと、ああ。そうですねー」

 ぽん、と彼女は手を叩いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ