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64、目に見えたい

 氷の槍が猪のような魔物を打ち抜いていく。次々と着弾し、ハリネズミのように見える。

 すごい威力だと、サソリはそう思ったのだが。

 ユラユラはゆーらゆーらと左右に身体を揺らしながら言う。

「なんだか魔法が物足りないんですよねー」

「物足りない、っていうのは?」

「んー。あんまり成長している気がしないというかー」

「そう……?」

 サソリが視線を移すとグラが同じような猪の魔物に組み付いて、じたばた暴れられている。

「どのくらい威力が欲しいの?」

「まあそうですねー。欲しいだけなら一瞬で相手を凍りつかせる吹雪の魔法とか使ってみたいですけどー。そういうことではなくー」

「んんん? ことではなく?」

 よく分からないまま、サソリは宙に浮かんでいるユラユラを見る。

「もっと、目に見える成長が欲しいんですよー。サソリさんとか特に分かりやすいじゃないですかー」

「そう、かな」

 自分ではよく分からないことを指摘されて、サソリは内心首を傾げた。

 ユラユラは優しく笑う。

「最初のころより身体がおっきくなってますしー。歩くのだって目に見えて早くなってますよー」

「あー」

 サソリが声をあげると、ユラユラが続けた。

「マタタビさんやカイトくんも、装備品を手に入れてパワーアップ! って感じがしますしー」

 なにか私にもあったらよかったんですけどねー。地道に頑張るしかないですねー。

 と、ユラユラはほがらかに微笑んだ。

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