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39、やっぱり運がない

 泣き笑いのようなカボチャのくぼみ。気さくな男の声が響く。

 森の中、サソリとカボチャが会話している図というのはきっとはたからみたら滑稽だろう。そんな意味もないようなことをサソリは思った。

「とりあえず、派閥……というほどでもないけど、主義主張が合わない連中と口論しなけりゃ大丈夫だろう」

「派閥?」

「そんなおおげさなもんじゃないんだけどな」

 カボチャはもう一度だけ断りを入れてから説明してくれた。

「たとえば他の参加者を倒すのか、倒さないのか。まあいま現在は倒さない派が主流だけど、そういう主張で口論がエスカレートして、直接行動に移ると迷惑行為と判断されたりする」

「……そりゃあね。他にも対立する主張とかはあったりするの?」

「おお、もちろん」

 カボチャはまた身体全体でうなずいてみせた。

「小さいところだと、どの魔物が最強かだとか、物理攻撃と魔法攻撃はどっちが強いとか。大きなところだとたとえば……人間を倒すか倒さないか、とかな。あるいは街の外に出て敵と戦うかどうかとかもある」

「え?」

 サソリは疑問の声をあげた。尻尾を揺らしながら。

 その声にカボチャが話を続ける。

「どうも街の外でだいぶひどい倒されかたをしたみたいでな。そういうやつらはたまに、、街の外に出たがらなかったりするんだ」

 そして、カボチャは真剣な声音で言ってきた。

「お前もこれから敵に倒されるのを経験すると思うが、気をしっかり持てよ」

「……いや、もう経験したんだけど」

 思わずうめくようにサソリが言うと、カボチャがきょとんとした。

「ついさっき街についたばかりの初心者、って言ってなかったっけ。お前」

「街にたどり着く前に、他の参加者に」

「なんて運のない……」

 カボチャが唖然とした様子で言う。

 やっぱりそういう扱いなんだ、とサソリはうなだれた。

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