表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
155/163

155、サソリが

 もしかして小鳥よりも遅いんじゃなかろうか。

 苛立ち……というよりも焦りを抱えながら、必死に翼を振りつつグラはそんなことを思っていた。

 まあ、小鳥が遅いわけがない。その辺の地面や電線でちょこちょこ歩き回っているのを見るとのんびりした生物にしか思えないが、飛ぶ速度が遅いわけがない。だから小鳥に飛行速度で負けたからといって恥ではないのだ。

 いや、どうだろう。

 小鳥に負けるドラゴン。やっぱり恥か?

(ぐぬぬぬぬ……)

 歯噛みしながら、それでもやめる気にならずひたすら飛行し続けることができているのは、森の中をのそのそ歩くよりは早いということが感覚的に理解できていたからだ。

 だがしかし、問題もあった。

 だいたいの方向は分かっていたので飛んできたのがだが、生い茂る木々のせいで下になにがあるのかが見づらい。

 仲間とともに辿り着いた虹色の光が降り注ぐ場所はすでに通り過ぎ、そろそろ合流できてもいいころだ。相手が見つかりさえすれば、だが。

(どこだ……っ!?)

 もう通り過ぎているのではないかと疑わしく思えてきた時、響く物音が聞こえた。それと声。森の一角が開けている。

 その上空へ近づくと、何人もの人間が見えた。人間はこちらを見ていない。振りかぶられる剣。

 サソリが、いた。人間たちと戦っている。この場所が封印の地なのだろうか。他の仲間たちも、そしてヒカゲの姿も見えなかった。

 サソリが苦戦しているのを確認するとグラは人間へ向けて一気に降下した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ