146、いざとなったら
マタタビは言う。
「邪悪なやつの封印を解かせたくないんでしょ?」
「それは……その、悪いものは封印されたままのほうが、いいんだと思います、けど……」
カバの同意するような言葉に、マタタビはにっこりと笑顔を浮かべた。
「ほら、カバちゃんもこう言ってるじゃない! グラのことを考えるんだったら、このまま帰らずにあたしたちがばったばったと敵を倒して、成長点を稼いであげましょ」
上機嫌のまま、にっこりとしたまま、彼女は恐ろしいことを口にした。
「いざとなったらみんな仲良く全滅すれば平等だし!」
カバがびっくりした様子でマタタビの顔を見た。自分はそこまで思っていないと言いたげだ。マタタビの元気さに押されてなにも言えないようだったが。
サソリもなにか言わなければと思ったが、嘆息した。
「まあ、できるだけ全滅しないように頑張ったほうがいいとは思うけど」
「そりゃもちろん」
うんうんとマタタビがうなずく。
サソリはユラユラたちに視線を投げかけた。
「どうする。帰ったほうがいいとか、なにか意見はある?」
「マタタビさんがやる気みたいですしー。私はこのまま進んでも構いませんよー」
と、ユラユラが同意し、カイトもとくに反対するつもりはないらしい。
サソリは言った。
「じゃあ、このまま進んでヒカゲちゃんを探してみようか」