表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
144/163

144、倒れている

 悲痛な叫びが聞こえたとしても、敵との戦闘のさなかに振り向くことなどできなかった。怪我を負うにつれて大男の動きは鈍っていく。

「……なぜ回復が……テルラルテめ……」

 弱々しいうめき声。

 最初の苦戦が嘘のように、あっさりととどめを刺す。

 回復が途切れた理由は簡単に分かった。すたたたと駆け回るマタタビの凶刃に倒れたからだ。後ろで援護をしていたはずの杖を持った人間と弓使いがすでに地面に転がっている。カイトの魔法攻撃による援護を受けて、相手が回避した隙にもうひとりマタタビは倒していた。

 痛々しい声をあげたカバは、無事だった。というより近くのカイトに守られてなにごともなかったに違いない。

 彼女のあげた声の原因も分かった。

 グラが倒した人間ふたりが倒れている。なんだかんだ頑張って、自分を馬鹿にした人間たちを見返したらしい。

 そして、グラも倒れている。相打ちになったらしい。

「……帰ろっか」

 呆然とした気持ちでサソリが言うと、カバが悲しげな表情でこくこくとうなずいた。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ