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140、ドラゴンは見た
敵対する人間へ、連続で炎を吐き続ける。
が、その炎の行く末を見てグラは目を見張った。
その参加者の男は、両手にそれぞれ持つ剣を無造作に振って、炎を叩き割っていったのだ。理解しがたい光景だった。が、それでも事実を受け入れるしかない。成長した参加者にはそういうこともできるのだろう。
サソリがこちらの戦いに参加しようとして、大きな盾を持った大男に接近されて諦めるのが見えた。
サソリの尾による攻撃は強力だ。だがそれが、分厚い盾に弾かれて終わる。大男が笑っている。それが驚愕に変わるのにそれほどの時間は必要なかった。
最近になって成長し尻尾が二本に増えたサソリは、それを巧みに使って尾の一本を大盾に防がせ、その隙にもう一本を相手へと叩き込んでいた。
(やるなサソリさん……俺も負けてられねえ)
森を震わせるがごとく咆哮する。
さらに炎を吐きつけると、グラは敵へ向かって突進した。