表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/163

136、様子見

 刀を持った少女、ヒカゲが去ってから。

 カバがおずおずと言った。

「そのぅ、封印が解けたら、まずいんんじゃ……」

「まずいだろうね」

 サソリも肯定する。個人的な意見を言うのなら手伝ってもいいとは思う。だが、ヒカゲが信用できるかどうかは別だ。

 グラがつまらなそうに言う。

「護衛したって成長点がはいるわけじゃないしなー」

「他の参加者と戦えばそれなりに入るんじゃないですか」

「そうか、人間の参加者を倒したらどうなるのか気になってたんだよな」

 カイトの言葉に、グラが何度もうなずく。

 マタタビが口元に手を当てて上下させる。

「あたしは邪神が復活したほうが楽しいと思うけど」

「いや、邪神とは言ってなかったと思うけど……」

 サソリが訂正するが、彼女は興味なさげだ。

 ユラユラが浮かびながら、どこか遠くを見ていた。

「この近くに人間さんの街もあるんですよねー。そういう悪いものが復活したら困ると思いますー」

「ああ、それはちょっとまずいわね」

 マタタビが口に当てていた手を下して、顔をしかめた。

 それから言う。

「じゃあ、とりあえず手伝ってあげればいいんじゃない? その結果前回と同じ流れであたしたちが裏切られたとしても、まあ気乗りはしないけどちょっと成長点が減らされるだけだし」

「邪悪なものも復活すると思いますけど」

「う」

 カイトからのツッコミに、マタタビがうめく。

 ここまでの話を聞いて、サソリは言った。

「よし。問題はあの子……ヒカゲちゃんの言ってることが本当か分からないことだよね」

「なにか解決策でもあるの?」

 顔を向けながらマタタビが聞いた。

 サソリは軽く肯定した。

「しかたないから、とりあえず追いかけて様子見すればいいんじゃないかな。お前に邪悪なものを復活させはしない! とか相手が言ってきたらヒカゲちゃんが嘘をついていたってことだろうし」

「まあ、そうだろうけど。そんなにうまくいくわけ?」

「ここで悩んでるよりはましじゃないかなと」

「それもそうね。よっし、出発しましょ!」

 マタタビが元気に宣言する。

 そんな中、カイトが淡々と言った。

「このまま追いつけない可能性もありますけどね」

「……まあ、その時は縁がなかったということで」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ