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117、むにゃむにゃ
男の上げた顔がどんどん下がっていく。
「あれだよー。残虐なー」
「残虐?」
「紫色のオーラをまとったー……むにゃむにゃ」
「寝ないで」
サソリは眉根をもみほぐした。
男が笑った。
「いやー。こうやってテーブルに突っ伏してると、ついねー。ぐー……」
「だから寝ないで……」
「おっと。魔物よりあっちのほうが良かったんだけどねー。まあ選べないんだからしかたないけど」
「…………いや、なんの話? ガラスがどうこうだと思ったんだけど……」
サソリが困惑すると、男は言った。
「だから、ガラスの王国の話さー。参加者なんだよ。魔物じゃなくて、人間として来てるの」
「は?」