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112、吸収しない

 うー、とか、あー、とかうなりながらマタタビが悩んでいたが、結論が出たのか顔を上げた。

「まあ幽霊だって、最初から空高くを飛んでたりはしないわよね」

「たしかにそんなイメージはないけど」

「空に逃げられる前にさっさと倒しちゃえばいいのよ。うん、完璧!」

 元気よくマタタビが宣言する。どちらかといえば自分自身を納得させるために言っているように聞こえたが。

 サソリが改めて仲間の幽霊に視線を向けると、彼女はすでに動きを止めていて、だらりと力なく腕をたらしていた。マタタビがユラユラを斬りたいとか言い出さなくて良かったなと、なんとなく思う。

「ユラユラさんは、なにか成長したいものは見つかった?」

 態度を見るだけですでに答えは分かりきっていたが。

 ユラユラはどよーんとした様子で答えてきた。

「魔力吸収っていう便利そうな能力を見つけたんですよー。これなら相手から魔力を奪いつつ戦い続けられますー」

「おお」

「そして、それと同時に魔力吸収に対する耐性も見つけてしまいましたー。きっとハイランドさんもこの耐性を持っていた気がするんですよねー」

「あー……」

 持っている理由も思いつかないが、持っていない理由もまた思いつかなかった。魔力は彼の生命線だっただろうから、耐性をつける方法があればきっと鍛えていただろう。

 なんとなく魔力吸収は使いにくい気がする。

 考えを巡らせていると、マタタビが言った。

「魔力吸収ってさ」

「はいー?」

「相手に魔力がないと意味ないのよね?」

 サソリとユラユラは揃って沈黙した。

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