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101/163

101、最後の力6

 なにを馬鹿なことを言ってるんだろうと思いながら、マタタビはふたたび成長点を確認した。

 ――増えている。

 先ほど確認した時には獲得していなかった成長点が、確かにグラの言う通り増えていた。それも今まで倒してきた魔物とは比べ物にならないくらい、莫大な量だ。

「し」

 ハイランドを取り逃がしたままじっとしていたサソリがなにか言っている。

「尻尾が増やせそう」

 言っている内容はどうでもいいことだったが。

 確かにマタタビもこの成長点があれば武器にちょっと魔法的な効果とか追加できるんじゃないかなとか思ったが、そのことはどうでもいい。

 なぜこの成長点は増えたのか?

 一時的に協力した他の参加者の話が聞こえる。

「本当に撃退ボーナス?」

「そんなのないだろう。成長点の獲得が前もって明示されていたわけでもないしな。もしかしたら、転移に失敗したのかもしれん」

「まーでも儲けものってことだよね」

 彼らは自分たちよりもベテランのはずだが、それでも状況が理解できているわけではないらしい。

 ふと思いついて、マタタビは彼らがどのくらい成長点を獲得したのかを聞き出した。

(あたしたちのほうが多い……)

 ということは、成長点を獲得するにあたって、こちらの貢献度のほうが高かったということだ。彼らよりも長い時間戦っていたのは間違いない。だが、それだけが理由だろうか。

 成長点がもらえたことに、心当たりはあった。

 ハイランドに逃げられてしまったにも関わらず成長点を貰えたことについて、サソリがカバたちとなんでだろうね、などとのんきに話している。

 あれは本気で言っているのだろうか。

 本気で忘れているのだろうか。

 あの魔法使いに追い打ちをかけたであろう、最後の力を。

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