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7話 61~70日目

 61日目。

 エルダーリッチがルービックキューブの六面を完成させた。

 素晴らしい! まさか、ゴーレム以外に出来るとは思わなかった。

 どうやったのか聞いたら、難しい単語を並べられて、勉強させられている気分だった。

 とにかく、ルービックキューブの六面揃えパーティを開いた。

 魔王とゴーレムが育てている、美味い魚と美味い野菜をふんだんに使った会食だ。

 しかも魔王が作った新しい料理もある。

 新しい料理の名は揚げ物。なんと、油を水のように使って、調理するらしい。

 贅沢の極みだな。だが、その価値はあるほど美味だった。

 コスパが最悪なので、こういう日にだけしか食べれないだろうが、また食べたいものだ。

 

 62日目。

 良く分からない神の彫像の所に行き、掃除とお供え物をした。

 お供え物は唐揚げだ。そうだ、俺が食べたかっただけだ。

 魔王もお供え物なら仕方ないと言っていた。

 計画通り!

 後で、その神のことを知らないか聞いてみたのだが、知らないらしい。

 エルダーリッチも知らないと言っていた。

 一体あの神の彫像は何なんだろう。


 63日目。

 森にでっかい蛇がいた。鱗の隙間から毒の霧をまき散らしており、ちょっと吸い込んでしまいやばかった。

 でっかい蛇、ニーズヘッグは一撃で屠ったのだが、毒のせいで死にかけた。

 エルダーリッチが回復魔法を使えると知らなかったら、マジで死んでいたかもしれない。

 エルダーリッチの回復魔法はかなりのもので、俺の中の毒を綺麗に消してくれた。

 ニーズヘッグの毒は最上級回復魔法でしか消せないやばい物らしい。

 俺はエルダーリッチに頼んで、森の浄化をしてもらった。

 森には時々だが、町の者が入る。残留していたらやばいからな。

 エルダーリッチは、絡め手対策をしておいた方がいいぞ。と俺に聖魔法の魔石をくれた。

 エルダーリッチなのに、聖魔法を使えることに疑問を覚えて尋ねてみたら、前世はどこぞの宗教の司祭だったらしい。

 宗教は碌でも無い物といってた。その割にはマクラス教はあっさり入ったな。

 取りあえず魔石を飲み込んで胆石にしておく。

 これで下手な毒は効かない。エルダーリッチにはお礼としてマス目を増やした、ルービックキューブを渡しておいた。


 64日目。

 流れの占い師がやって来ていた。

 俺にSランクの魔物が来るとか言ってた婆さんだ。

 占い、ハズレたぞ、SSランク(エルダーリッチ、ニーズヘッグ)しか来なかったぞ。って言ったら、滅茶苦茶ビビっていた。

 まぁ、占いなんて俺にとってはお遊びなので、別に責めたりはしない。

 占い師の婆さんはお守りを買わないか? 効果はないぞ。って言って来たので、買っておいた。こういうのは気分の問題なのだ。

 

 65日目。

 今日は大食い大会があった。

 俺はそんなに食べないので、見学だけしてきた。

 食べるものはパンだ。砂糖を少しだけ練り込んだ甘パンを何個食べれるかの競争だった。

 この大会は不定期に開催され、食べる物も違う。

 純粋にたくさん食べる奴が優勝するのだ。

 優勝者はまさかのロッグだった。あのドラ息子、細いなりして何て食べるんだ……。

 後で聞いたら、食費を浮かせるために参加したらしい。お前、食費にも困っているのか……。なのでこれは先行投資だって言って、白金貨20枚を渡しておいた。

 俺の家族には内緒だぞ、と約束した。破ったら、目玉を潰すとも言った。

 具体的な罰にロッグは恐怖していた。

 とにかく、これで姉上と美味しい物でも、食べに行けと指示した。

 姉上に食費たかっていたらしいからな。まったく……。


 66日目。

 たまたま母上がゼロックス強いんだぜ~、という話をエルダーリッチにした。

 すると、対戦させろ、と言って来たので、どうにかできないか考えた。

 その結果、町でゼロックスの大会を開いてみてはどうだろうかという結論に至った。

 大会は俺が開く。三日後の予定だ。

 誰でも参加できると宣伝し、優勝者には金貨20枚を進呈すると宣言。

 俺の溜めている正当なおこづかいでは金貨20枚が限界だったのだ。

 家の私兵たちに頼んで、家の庭で出来るように頼んだ。

 母上が面白がって、許可してくれたので、この大会は出来たようなものだ。

 母上もギルエマさんももちろん参加する予定だ。

 俺? うん、するよ。エルダーリッチも、冥途さんも、魔王も、幻術魔法で一般の人に成りすまして参加する予定だ。

 楽しみだなぁ。


 67日目。

 珍しい物を持ってくる行商人がやって来た。

 パイン、ホットチーズを持ってきた行商人だ。

 今回はコーヒーという物を持ってきた。 

 滅茶苦茶苦い。はじめての味だった。でも嫌いじゃない。

 ミルクを入れて飲ませてもらったが、丁度いい具合になり、俺は気にいった。

 このコーヒーの元はないのか聞いたら、さすが行商人、持っていた。

 コーヒー豆というらしい。サンプルとして持っていたようだが、埋めたら育つだろうか。

 魔王に頼むと、出来ると言われた。

 俺の地下都市は様々な植物に最適な環境を用意している。

 湿度、温度は勿論、土や風にまでこだわっている。

 魔王は、激うまコーヒーを作ってみせよう! と張り切っていた。


 68日目。

 父上がまたサウロモネの新作を買って来た。

 絵画だ。今回は人物画で、いつも買って貰っているからということで特別に父上を描いてもらったらしい。

 正気か? 父上?

 ギルエマさんもこれはちょっと……って言ってたぐらいだぞ。

 あのギルエマさんがだぞ?

 取りあえず父上の絵画は別館に封印された。

 俺、もう別館にいけねぇよ……。


 69日目。

 大ゼロックス大会が開かれた。

 朝から開かれて、夕方にベストエイトが決まった。

 母上、ギルエマさん、兄上、父上、エルダーリッチ、冥途さん、メイドさん、町の子供、だ。

 ちなみに俺と魔王は一回戦負けした。

 この大会にゼロックスのプロを呼んでいたのだが、エルダーリッチと出会って負けていた。凄いショックを受けていた。俺は世界チャンピオン何て言われて驕っていた、と言ってうなだれていた。頑張れ、世界チャンピオン。

 ベストエイトになってからはゼロックスのプロを解説にお呼びして、俺と実況して貰った。

 その結果、町の子供が優勝した。

 マジで? 準決勝で母上とエルダーリッチが激戦を繰り広げ、その結果エルダーリッチと町の子供が戦う事になったのだが、接戦で町の子供が勝った。

 何でも、お父さんがゼロックス好きで毎日やっているらしい。お父さんは僕より強いよ、という言葉を聞いて、上には上がいるものだと思った。

 そのお父さんは今日は仕事でいないらしい。俺はその子供、ファイン君に金貨20枚を進呈、副賞としてオリハルコンで出来たゼロックスセットを授けた。

 ファイン君は金貨20枚はどうでもよさそうだったが、ゼロックスセットは大変気に入っていた。喜んでもらえたようで何よりだ。

 

 70日目。

 町の本屋に新刊が入荷した。

 俺が店に行くと、なんともやし戦記2が販売されていた。

 もちろん購入した。

 今回は部隊長から一隊長に、昇格するまでの物語だ。

 友である空豆が裏切り、敵側の帝国に付いたことでさらに面白くなってきた。

 次の巻がますます待ち遠しい。

 だが、デベエロのあとがきを見てみると、本の売れ行きが思ったよりないので書くのを止めるかもしれないとのこと。

 馬鹿な! この面白さが何故、伝わらないのだ!

 俺はデベエロのパトロンになることに決めた。

 デベエロは王都で暮らしている三流作家らしい。行くぞ、王都に!

 と思ったら、ついでだから社交パーティして来いと母上に言われた。

 ええー、面倒くさい。

 


主人公「社交パーティに行けだって!? なんてこというんだ、母上!」


母上「あなたももう十歳だし、来年からはもっと増えると思うわよ(にっこり)」


主人公「あああああああああ!!」

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