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17話 165~170日目

 165日目。

 朝帰りしたら屋敷は騒然としていた。

 俺とフューリがいなくなっていたからだ。

 俺は兄上たちに心配されたどころか、不安にさせやがってと拳骨を喰らった。

 おかげで、勉強と稽古が山盛りになった。

 だが、そんなことはどうでもいい。俺はフューリと結婚したいという旨を、皆に伝えた。

 父上からは公爵家の人間と婚約しているし、ごたごたもあるから無理だと言われた。

 しかし、今回に限っては譲れない。今まで適当に隠していたつもりの俺の力を全部使うつもりだ。

 俺は、婚約破棄してもらい、俺と婚約して貰えばいい、とこれからの計画を宣言。

 そのために、時間をくれと、父上たちに土下座した。

 時間さえあれば、すぐに俺はフューリを取り巻く、全ての関係にケリを付ける。

 父上はしばらく無言だったが、やがて口を開き一週間の時間をくれた。

 うちは、恋愛婚だからな……と言っていた。

 俺はさっそく、フューリとその従者たちと共にヴェンディゴ領に転移。

 驚き騒いでいる従者たちをよそに、フューリの実家に突撃。

 辺境伯の息子という権限を使い、強引にフューリの父上を呼びだした。

 フューリの父上にフューリを嫁にくれと懇願した。鼻で笑われてうざい。まぁ、分かっていたことだ。俺は庭にオリハルコンの延べ棒をこれでもかと用意した。

 フューリの父上であるグーリは最初、俺が用意した延べ棒が何なのか分かっていなかったが、家臣に確かめさせてオリハルコンだと分かると歓喜していた。

 俺の用意したオリハルコンを売りさばければ、安くとも国庫級の金が手に入るだろう。

 さらにダメ出しで、宝石類を庭(はみ出した)に用意し、とどめにS級の魔物の死体を山ほど積み上げた。

 それでも悩んでいたので、俺はアルザールとフューリが婚約した時のデメリットについて話した。この土地を開拓しても、実権は公爵家が握るよ~という話だ。

 さらにいまなら、俺が超古代文明の遺産を何とかしてやろうという条件も付けた。

 そしてグーリは、俺とフューリの婚約を認めた。

 後で、アルザールとの婚約破棄を発表すると、言っていたたが、本当にするか分からないので、転移して王都に行き、王都にあるゼゼグーズ家を訪ねた。

 ゼゼグーズ家は当然、ヴェンディゴ家の土地を(まだ手に入ってないが)手放したくない。

 婚約破棄の話はこじれにこじれたが、俺と公爵家が決闘することで落ち着いた。

 対決するのは、俺とアルザール。決闘方法は公爵家が選んだもので、代理人による五対五の決闘だ。

 俺が勝てば、俺がフューリと結婚。俺が負ければ、アルザールとフューリが結婚。

 俺が決闘を開催して貰った側だから、負ければそれ相応の対価を払う。

 ゼゼグーズ家は俺を負かし、俺の実家であるマテリア辺境伯家に貸しを作ることが目的のようだった。

 だが、その計算に俺に負けるという結果は含まれていない。

 俺とアルザールの決闘は五日後になった。

 不安そうなフューリに、俺は負けないと宣言してから、一緒のベッド寝る。

 何かドキドキする。

 今はベッドを抜け出し、日記を書いてないことを思い出したので書いている。

 明日は超古代文明の遺産を何とかしなければならない。遺産は地面に埋もれた神殿らしいし、何とかなるだろう。


 166日目。

 超古代文明の遺産である神殿を朝に、ぱぱっと堀り上げて、決闘の準備をする。

 万が一にも負けは許されない。

 今回の決闘は代理人で決着をつけるものだ。これは一般的な決闘で、貴族本人が対決するというのは決闘の歴史でもあまりない。

 俺は今回の代理人を、正式な従者であるロッグと、地下都市ファミリーの四人に頼むことにした。

 ロッグは言っちゃ悪いが、カスだ。冒険者ランクにしてみたら、最低ランクだろう。

 数合わせだ。俺の正式で唯一の従者だということで、決闘に出すということもある。

 今回はゴーレムスーツに乗せて戦わせる。

 次は魔王、ゼレキアス・アットフォールンだ。

 魔王は1000年前に勇者パーティでも封印が精いっぱいだったかなり強い魔王である。封印されている間に修行し、さらに強くなっている。闇魔法のエキスパートで、実戦経験豊富だ。頼りになる。

 エルダーリッチこと、ファミ・サスデッドは回復魔法と死霊魔法の使い手、六属性の魔法も得意とし、オールラウンダーとなるだろう。

 竜人、ヴィッキー・グーレガスは、腐っても邪竜の竜人だ。世界を混乱に陥れる位のポテンシャルはある。そして何より、その知識が役立つ。

 吸血鬼、アルマー・ハイド・フォン・チェニッヒは始祖を超える最強の吸血鬼。今回の決闘では、今まで決闘してきた経験によるサポートをお願いする。

 毒物に気を付けるだとか、決闘までの絡め手などの面で非常に参考になる意見を貰った。

 今回は絶対に負けるわけにはいかない、たとえ相手が神だろうと勝つ。

 そしてそのための準備もする。


 167日目。

 天空都市のグレードアップ。億を超える戦闘ゴーレム軍団を作成した。

 今回の戦いに魔導具を持ち込んではいけないという制約はない。

 戦闘ゴーレムは魔導具の一種だから、全部持ち込む。

 地下に空きスペースを作り、そこに戦闘ゴーレムを待機させた。

 戦闘ゴーレムは俺の全力ゴーレムより強い。

 俺の全力ゴーレムは神鉄を圧縮したもので殴るだけだが、こいつらはルービックキューブを使ったパターン魔法陣を組み込み、さらにルービックキューブでルービックキューブを作った、多重ルービックキューブ魔法陣を内蔵している。

 これにより、軽く万の種類を超える魔法を使える。戦闘ゴーレム一体で世界を軽く滅ぼせるだろう。

 それが億だ。これだけあれば負ける気がしないが、用心には用心を重ねる。

 もう大丈夫だろという竜人をこき使い、さらなる力を求める。

 

 168日目。

 天空都市を利用し、この星に魔法陣を仕込んだ。

 起点となるのは、俺が一分間全力で魔力をこめた魔石だ。

 これを地中深くに埋めて、星座の位置を参照とすることで、太陽をも生み出せる魔法陣を作り出せた。

 魔石を作りすぎて、生まれて初めて魔力枯渇を起こした。魔王がもうやめろっと言ってたが、いい機会だ。こうなりゃとことんやる。絶対負けぬ! アルザール如きに、フューリはやらん!


 169日目。

 竜人が神が舞い降りたとか言って、謎の研究を開発させた。

 俺はその設計図を元に、とある物質を作成。作り出したのはメビウスキューブという物だ。見た目はルービックキューブだが、その本懐は凄まじい。

 これはどういう理論か知らないが、永久機関らしい。マス目が動き続け、魔力を永遠に生み出せるのだとか。

 元となる魔力が多ければ多いほど、生み出す魔力も増える。ネズミ算式に魔力を増やすということだ。

 俺は死ぬ気でメビウスキューブに魔力を注ぎ込み、あっという間にメビウスキューブは、究極魔力増幅装置となった。

 一秒で魔王や竜人の魔力を超える魔力を発生させるのだ。

 発生させたものは中に溜まっていく。溜まった魔力を使えれば、新しい生物すらできる。というか、理論上は時間を操れる。

 そして俺と竜人はメビウスキューブを内蔵した、メビウスゴーレムを作成。

 地上最強のゴーレムが完成した。こいつを使えば、絶対に負けない。

 因果律を操り、絶対に当たる攻撃とか、絶対に壊れない剣などを生み出せる。

 やろうと思えば、魔力が尽きない限りなんでもできる。

 よっしゃぁああ!! これがあれば負けない。絶対勝つぞ!

 

 170日目。

 決闘は拍子抜けするほど、あっさり終わった。

 決闘の相手は、王都最強のパーティと言えば議論で必ず名前の挙がるパーティの一つ、象牙狩りのパーティだった。

 雪山に住むSランクモンスター、フロストマンモスを狩ったことで有名なパーティだ。

 それに対し、こちらは全員がSSランク以上。負けるはずがない。

 決闘開始と同時に、魔王の闇魔法ダークレインが降り注ぎ、戦いは終わった。

 アルザールが不正だなんだ、言うからもう一度戦ったが、舐めプして勝った。

 念には念を入れ過ぎたらしい。

 決闘の後にいちゃもん合戦とかがあったが、無事に俺の勝利に終わった。

 すっごい脱力した。

 だが、これで名実ともにフューリは俺の婚約者だ。

 やっほーい!

 俺の家族と相談し、結婚自体は15歳になった後にすることになった。

 それまでは清い付き合いだ。はやく、大人になりてぇ。

 フューリは我が家に居候することになり、これから15歳になるまで花嫁修業をするんだとか。

 これから毎日フューリと会えるとなるとテンション上がるぜ。


主人公「これが俺たちの全力だ!!」


シリアス「ぐああああああああああ!!」

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