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11話 111~120日目

 111日目。

 エルダーリッチに健康診断をしてもらった。

 その結果は健康! 俺の体は問題ないことが分かった。

 ちなみに、健康診断のデータは竜人に送られたらしい。

 あの野郎……。


 112日目。

 森でキノコ狩りをしていると、変な男に出会った。

 外側が黒で中側が赤の派手なマントを着た男だ。

 いきなり、血をよこせぇ!! と迫って来たので、簡易ゴーレムでフルボッコにした。

 その後、事情を聞くと、こいつは吸血鬼らしい。

 4000年前から生きている最上級の吸血鬼で、強すぎるせいで始祖でさえ敬語なのだとか。

 吾輩にため口を聞ける吸血鬼は存在しないのである、人間風情が! ひれ伏せ! とか言って来たので、さらにボコボコにした。

 上下関係を叩きこんでやった(物理)。

 その後、吸血鬼は観念し、俺を認めてくれた。

 とりあえず、吸血鬼が死にかけだったので、俺の血を飲ませ、回復させた。

 吸血鬼は芸術家らしく、何かアイデアがないかと旅していた所で、美味そうな血の匂いのする人間を見つけ襲って来たという訳らしい。

 とりあえず、地下都市に案内した。

 吸血鬼は地下都市を見て、一見幻想的で素晴らしい物に見えるが芸術を何も分かっていない、この都市はクソだ、とか言いやがった。

 バカにされたのが悔しくて、俺は吸血鬼をボコボコにした。

 その後、吸血鬼がこの都市をリフォームし、芸術の都市にしてみせると地下都市に吸血鬼が住むことになった。

 数日は吸血鬼に付き合って、地下都市のリフォームをすることになりそうだ。


 113日目。

 吸血鬼は意外にも、計算高い芸術家だった。

 色々難しい単語を知っており、俺が分かるのは黄金比率ぐらいだ。

 都市の設計もしたことがあるらしく、俺の午後は俺がどんなことをできるのか? を聞かれて終わった。

 明日から本格的な地下都市リフォームが始まる。俺の地下都市をクソだ、といったこの吸血鬼がどれだけ俺の地下都市を素晴らしい物にしてくれるか楽しみだ(煽り)。


 114日目。

 吸血鬼は、芸術にはテーマが必ずいると語った。

 テーマを決め、それに沿って芸術品を作るのが、吸血鬼のやり方らしい。

 テーマを決めず、作品の指向性がぶれればそれだけで感動は少なくなるのだとか。

 今回のテーマは幻想的、お伽噺の世界を作ろうと吸血鬼は言う。

 俺は吸血鬼の元、リフォームを始めた。

 吸血鬼の決めた設計図は1ミリ単位ですべてが決まっており、噴水の水の噴射の秒数や、花壇の宝石花の葉っぱの数さえ計算されているものだった。

 ちょっとわくわく、いやかなりわくわくしてきた。どんなものが出来るのだろう。

 

 115日目。

 ずっとリフォーム。


 116日目。

 ずっとリフォームゥウウウウウウ!!


 117日目。

 ずっとずっとリフォォォオオムゥウウウ!!


 118日目。

 吸血鬼の監督の元、俺の土魔法を存分に発揮し、地下都市のリフォームは終わった。

 吸血鬼が満足しなかったせいで、俺は五回も最初からやり直す羽目になった。

 そのかいあってか、地下都市は素晴らしい物に変わった。

 空を飛ぶ竜ゴーレムに乗って見た地下都市は、まさしく前の地下都市がゴミに見えるほどの芸術品だった。

 完璧な比率、完璧な色合い、完璧な角度……。

 ここに、芸術の都市は完成した! 

 ミックスジュースで泣いたことがあるが、まさか地下都市を見て泣くことになるとは思わなかった。

 芸術で泣けるとは……思っても見なかった。

 吸血鬼は満足し、ここに住んで芸術品を作るらしい。

 当分は、この地下都市の仕上げの調査もかねて、地下都市をモチーフにした絵を書くらしい。

 今度、サウロモネの作品でも見せてみようか。どんな反応をするのかな?


 119日目。

 噂すればなんとやら、父上がサウロモネの作品を買って来た。

 今回の作品は魔王像だ。二面八腕のおどろおどろしい彫像だった。

 実際の魔王は普通に人型なのにな。

 サウロモネの彫像は相変わらず吸い込まれそうで、別館送りにされた。

 別館が着実に魔の館へと変わりつつある。肝試しで別館を探索とかになったら、俺は泣く自信がある。


 120日目。

 森でドラゴニックトレントと出会う。

 土魔法で退治して地下都市に箱詰めして送った。

 今日はそんだけ。

 


主人公(いつか吸血鬼を別館に連れて行ってあげよう)


吸血鬼(うむ? 何故か、寒気が……)

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