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使用人と吸血鬼のご主人様  作者: 月森ミナ
2/4

ショタに負けました

「おーい、起きて、起きてよライラ」

ペチペチペチ‥‥‥誰かに叩かれてる? いや、それよりも‥‥‥

「手、冷たすぎない!?」

「あ、起きた!!!」

いや、起きたけど‥‥‥ああそうか、この人ヴァンパイアだから手が冷たいのか、なんか納得。

「って私何してました!?」

「僕の牙を見てた。」

そうだった。ご主人様(仮)がヴァンパイアだと知って驚きすぎて脳がキャパオーバーしたんだ。

えー、ほんと私のこれからどうなるんだろう‥‥‥

「どうしたの? 一人でコロコロ表情変えて。」

「だ、大丈夫です。とりあえずここは何処ですか?」

「さっきも言ったじゃん。僕何回も言うの嫌なんだけど。」

あ、拗ねた。なんて分かりやすい拗ね方‥‥‥可愛いなこの人。あ、人じゃないか。

って、違う、私が聞きたかったのはそういうことじゃない。

「いえ、そうではなく、どこらへんにあるのかが知りたいのです。」

「あーそういうこと! ここは君が住んでた村の南にある森の端っこだよ。」

「と、言いますとジュエリア王国との国境付近ですか?」

「うん! そうだよ!」

まじかあぁ。ものすっごい田舎じゃあないか。人がいないのは凄く心細い。完全にピンチ。

これはあれをやるしかなさそうだな‥‥‥よし!

「ご主人様!」

「ん?」

「申し訳ありませんが、家に返してくださいませんか?」

いざ、秘奥義、手を組んで、うる目でお願いポーズ!!! 年頃の娘がやってるんです。

少しは罪悪感を感じ‥‥‥

「何言ってんの?」

ませんでしたね!それよりも少し機嫌を損ねてしまった‥‥‥?

「ライラは僕がちゃんと君の親から買ったんだよ! つまり今の君の家はここなんだよ!?」

なんか言い方が可愛い‥‥‥じゃなくて!!!!

「まずその前提条件がおかしい気がするんですよ! 私の両親が私を売るわけないじゃないですか!」

そうですよ! 確かに貧乏ではあったけどちゃんと16歳になるまで愛して育ててもらったんですよ。

確かに貧乏ではあったけど文字は教えて貰ったし、農作業も手伝ったりしてたんですよ!

確かに貧乏ではあったけど!!!

「まあ、最初は断ってたよ。でもお金見せて説明したら快諾してくれたよ。」

あいつらああああああ! 金に負けやがった・・・クソッ・・・

しかもご主人様(仮)はすっごい笑顔だし・・・なんだよ可愛いかよふざけんな(ヤケクソ)

もう勢い余って床に頭打ちつけちゃってますよ、どうしてくれるんですか。

まあ赤いカーペットのおかげで全然痛くないですけどね。

「そんなに僕の使用人になるの‥‥‥嫌?」

ああああああああああああああ、そんな顔されたら嫌なんて言えませんよ!

なんて言ったってドアップなショタのうる目顔ですよ! 胸が苦しくなってくるうぅ。

「嫌‥‥‥じゃないです‥‥‥」

あぁ言っちゃった。ショタに負けた。でもこれは仕方ない。不可抗力だわ、ほんと。

「それは良かった! じゃあ早速着替えて! この城を案内しなくちゃ!」

なんでそんなに可愛く笑うんですか・・・可愛い過ぎて辛い!!!

「僕は外で待ってるから、着替えたら呼んでね」

「あ、はい」

パタン‥‥‥

はぁ、ようやく1人になれたあ。でも、行ってしまわれるとそれはそれで悲しいな。

とりあえず与えられた? 部屋を見るけど特に変なものはないし、私の好きな本がおいてあるくらい。

なんとなくだけど元の家からこれも持ってこられたんだろうな。そんな気がしますね。

って早く着替えないと! えーと、どこにあるんだろ?

周りを見回すと‥‥‥あ! あった。壁にかかってました。

まあ予想はしてましたけど‥‥‥やっぱりメイド服なんですね。

なんか恥ずかしい‥‥‥、初めて着るものだからですかねぇ‥‥‥?

「ライラ? 大丈夫? ちゃんと着れる? なんなら入ろうか?」

「わぁっ! だ、大丈夫です。もうすぐなんでお待ち下さいっ!」

ずべこべ言わずに着ないと! いくらショタでも着替え姿は見せられません!

しかしこの服ジャストフィット‥‥‥ぺたんこの胸も気にしなくて大丈夫そう‥‥‥

か、悲しんでる訳じゃないし!! いや、少し悲しいかも‥‥‥って私は誰に言い訳をしてるんでしょう?

じゃなくて!! そんなことよりも早く着なければ!

「まだぁ? 僕入るよー?」

「わわっ! 今行きますっー!!!」






ライラが売られたときの話


「いや、いくらお金を提示されても・・・」

「そうですわ、ライラは大切な私達の娘なんです、売るなんて・・・」

「家内もこう言っています。アンドレア様どうかお引き取りを・・・」

「んー、そうは言われても僕も彼女が必要なんですよ。ちゃんと給金もだしますよ。」

「いや、しかし・・・」

「これぐらいでどうでしょう?」

(確かにこのくらいの金があれば一気に生活が楽に・・・でもダメだ。

あいつは俺たちの一人娘だ。)

「いやですg「これでも駄目ですか?」

((美少年ショタのうる目顔!?!?))

「僕はちゃんと娘さんを使用人として大切にしますよ。」

((更に泣きそうに!?!?))

「あなたっ・・・」

「んうぅ・・・もしかしたらそのほうがライラにとっていいのか?」

「私もそんな気が・・・」

「確かにここにいては一生貧乏だし・・・」

「それに使用人になればひもじい思いをせずにすみますしね・・・」

「分かった、その話受け入れましょう」

「本当ですか!?サーフィアさん、ありがとうございます!」

((すごい笑顔になった!!!!))

「じゃあ早速・・・」

((???????))

「お嬢さんもらっていきますね!!!」

「「えええええっっっっっ!!!!!」」

「あっという間に・・・」

「行ってしまわれたわ・・・」


((でもこれがライラの幸せにつながるなら・・・))







じつは両親もショタに負けたんですね!金ではなく!!

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