今後どうする?-1
ひとまず、木本隊の人たちは夜も遅いので、泊まっていかせようとした母たちだったが、木本に、善は急げだと言われ、別れも少なく、息子たちと別れた。
「えっと…とりあえず、僕らの父たちのこととかを知っているような口ぶりでしたけど、何か知ってるんですか?それと、透明化まで見えるんですかといってましたけど、それも何か関係あるんですか?」
「話すと長くなるけどいい?」
確認するようにコンセが優しく聞く。
「とりあえず寝ませんか?」
木本隊のなかで一番レベルの低いトタミが目をこすりながら眠そうに言った。それに乗ろうと、矢村と清水も頷く。
勧誘しようとしている二人がそう言っているのでは仕方ないかと木本とコンセは話し合い、まずは帰ろうという結論にいたり、コンセは全員を呼んだ。
「みんな、僕の腕につかまって」
そう言われ、木本隊はすぐにつかまったが、矢村と清水は不審がりながら、恐る恐るつかまった瞬間に、
ヒュンッ
とその場には誰もいなくなった。
_____謎の場所
月明かりが差し込む場所で、9つの影が揺れる。1つがしゃがれた声で
「奴らが接触した。」
もう1つが驚いたように、
「それやばくないですか!?止めにいくんですか?」
「おい、お前。嬉しそうにしてんじゃねぇ!」
隣の影が静止するように叫ぶ。最初の影が、
「そんな面白くなさそうなことするわけ無いだろう。しばらく泳がせてやろう。」
そう言って、すべての影が消えた。
_____木本隊の拠点
ヒュンッ
コンセが魔法使いの最上位の魔法である瞬間移動を使った。
「やっぱこれは超便利だな。」
と呑気な隊長に対し、当のコンセは、
「これけっこう魔力の消費激しいんですからね。まぁ、無限だから関係はないんですけどね。」
気楽そうな木本隊の笑顔を恨めしそうに見ている矢村と清水は、吐き気と戦っていた。
「すいません、すごく吐きそうなんですけど。なんでそんなにピンピンしてるんですか?」
吐き気に負けた清水を尻目に、依然吐き気と戦っている矢村が聞いた。すると隊長は、清水をかわいそうな目で見たあと、
「瞬間移動とかいう時空を歪ませかねないようなものがノーリスクな訳ねーだろうが。俺達はまだ慣れてるからで、君たちがまだ慣れてないだけなんだよ。」
と、正論で返され、清水の吐瀉物の処理と、介抱に向かった。
矢村は、床にぶちまけてしまった親友を見て、申し訳ない気持ちになった。