学校なんてやめてしまえ-3
ついてこれていない清水を置いて話は進む。
「さらに、ラユーク、トタミと会っていくたびにどんどん進んでいくんだ。」
「それでなんで僕たちのところへ来たんですか?」
「君たちと会う前にもう二人仲間になってるからまずはその二人を紹介しよう。まず、王国で最上級指名手配犯の通称死神。」
「どーも。ご紹介に預かりました通称死神です。」
指名手配犯なのに普通にいていいのかよ。ていうかなんで指名手配犯と一緒に行動してんだよ。
「こいつは暗殺者の能力をもっている。」
「暗殺者?そんな能力初めて聞きました。」
「だろうね。なんせ暗殺者はこの世にたった10人しかいないからね。」
コンセの言葉を理解するのに時間がかかった。
「はい?能力は遺伝からですよね?そもそも人数が決まっているってどういうことですか?」
「暗殺者は特別すぎる能力でね。前の能力者が死んだ瞬間に生まれた子供にでてくる。しかもその子供は必ず孤児院に入れられて10人いる暗殺者集団の組織に引き取られる。」
隊長の言葉でなぜか清水ば納得してしまった。
「そうか、だから10人しかいないわけですね?」
「ほぅ、清水君といったか今の言葉だけでよくわかったな。」
「特別ということはそれ以上になにかあるんですね?」
「君はすごいなぁ。まるで話そうしている内容がわかっているかのようだ。」
清水は人の言おうとしていることを全て聞かずにわかってしまう性格だからなと矢村は改めて清水のすごさに感嘆した。
「そう、つまり暗殺者という能力はトップによって10人に管理されているんだ。さらに暗殺者は生まれた時からスキルが一つある状態だ。」
「それはチート級ですね。」
「そうか?そうは俺は思わないけどな。」
いや、なんでだよ。生まれた時から能力があるとかもとからレベル100なのとあんまり変わんねぇじゃん。
「スキルが生まれた時から一つあるとしても、使いこなせないようじゃ使い物にならないからな。」
「まぁ、そうですけど。」
「ま、結局は暗殺者のトップによって5歳のときにはレベルは100超えるがな。」
あぁ、こりゃダメだ。生まれた時から次元が違うわ。
「暗殺者のトップって誰なんですか?」
矢村が人生に絶望している時に清水が気になっていたことを聞いた。
「あー、それに関してはあいつの了解を得たほうがいいかもな。どうなんだ?死神。」
「そのことについては私から話させていただきます。」
どこからか死神の声がするが、姿がどこにも見えない。
「あぁ、私の能力も合わせて説明したほうがいいね。」
そう聞こえると死神が急に矢村の目の前に現れた。
「まず、これが私の能力。【透明化】その名の通り透明になることができる。ただ、実体はあるから触れることができる。」
「やっぱりどんな能力にも弱点があるんですね。」
「矢村、なに行ってるんだ?逆に怖いだろ。なにもないのに、触れることができるって。ただの恐怖でしかないだろ。」
「その通り。でも、そもそも私は相手に触れさせることすらさせないけどね。だってこっちからは相手の動きが完全に見えてるからね。」
そりゃ最上級指名手配になるわな。と、矢村は納得した。
「そういえば死神さんってレベルいくつなんですか?」
そう、単純に疑問に思ったことを矢村が聞くと木本が
「とても言いにくいんだが、暗殺者にレベルの上限は存在しない。」
その言葉を木本が悲しそうな顔で言ったことが不思議に思った矢村だった。