学校なんてやめてしまえ-2
たった一人の紹介が終わっただけなのに、驚いている二人を置いていき、紹介は進む。
「次に、サイジ・ラユーク、こいつは戦士だ。レベルは150。スキルは無限の体力。こいつもチート級だな。はっはっは。」
はっはっはじゃねぇよ!なんだよこのパーティー。気持ち悪過ぎ!と矢村は心の中でツッコんだ。
「そして、このパーティーで一番レベルが低いクヨタ・トタミ。勇者のくせに、ビビりだから全くモンスターを倒さなくて、俺たちのサポートばっかしてる。レベルは75だ。スキルはレベル100からしかないから当然のようにない。」
そう言うと、気弱そうな人が頭を下げた。
「勇者の才能があるのにもったいないなぁ。」
と、清水が呟いたのが聞こえたのか、トタミが少し悲しい顔をした。
「そして、木本美静。」
話す人がコンセに変わったことに気づかずに、女性の名前を言われたため、女性を探したが、どこにもいなかったが、
「いや、俺だから。」
そこには美静とは全くかけ離れたゴリゴリマッチョの隊長がいた。
「えっ、隊長が美静⁉︎いや、どう考えても美しくないし、静かでもないし…」
清水が言いたい放題言う。
「清水、さすがに言い過ぎだろ!」
と、矢村が制止する。が、隊長もトタミと同様に少し凹んだ。
「まま、とりあえず、隊長の説明を続けるよ。能力はない。つまり、ただの人ってこと。」
「ただの人なのになぜあなた方のような強い人たちに隊長って呼ばれてるんですか?」
「矢村君、急がずに、説明するから。隊長のレベルは999。スキルはいろいろ。まだ全部見せてもらってない。」
「999⁉︎どんなに最強の人でも300程度までしかいってないって学校で言ってましたけど!」
動揺を隠しきれない矢村と清水。それを見て木本が話す。
「それは今まで王都ゼリアルに行ったことのある人の数値だ。あそこは不審者が入らないようにいろいろ管理されてるからな。」
「それでも、そんなにレベルが高い人がいるなんて…」
驚くのも無理はなく、今まで公表された中ではレベル400あれば魔王討伐できると言われているからだ。
それを知ってか木本が魔王について話しだす。
「俺だって最初は魔王を倒そうと思って行って倒したのになぜか俺がレベル999になったときに時間が戻ったんだよ。」
「それって一生魔王倒せないじゃないですか!」
「うん。そういうこと〜。」
隊長の一言に絶望した矢村と清水だった。
「でも、倒したっていう記憶はあるんですね。」
あくまでも冷静だった矢村が状況判断をして発言した。
「そう、それなんだよ。そこで俺は考えたんだ。何か進展があれば戻る場所が進むんじゃないかって。そしたら案の定コンセと仲間になった状態で魔王を倒したらコンセと仲間なろうって言い合った酒場に戻ったんだ。」
これだけ丁寧に説明されたにもかかわらず、清水は全く理解できていなかった。