第四章-個性的だと損することもある
あまりギャグは面白くないですが・・・よろしくです。
ツッコミとともに光が見えた。
やっぱりこれはトラックだったのだ。
窓が開き、景色が見えてくる。すると、さっきまで自分たちをさらった誘拐犯達、ヤクザチックな・・・あ、しつこい?ごめん、もう言わない。
誘拐犯達、黒服を着た男達が左右に整列していた。すると、男の中の一人が近づいてきた。
「では、お降り下さい。」
と、その男は言ったが、健八がこうさけんだ。
「お前ら!俺たちをさらってどうする気なんだ、こら。全員殺してもいいけどよ、後で少子化に響くだけだぜ。」
いや、オレらは殺されたくないから。勝手に人の運命決めないで。あと、4人程度じゃ多分響かないと思う、と進歩は思った。
「それは・・・・その・・・・申し訳ありませんでした!」
と、男は頭を下げ、大声で謝った。
続いて、申し訳ありませんでした!!!と、残りの男達が揃って謝った。
「???・・・・?????」
進歩は戸惑った。自分たちを誘拐した犯人が、なぜその本人に謝るのだろうか。だったら誘拐なんて最初からしなきゃ・・・と思ってたが、
「本当に申し訳ありません。手荒なお連れ方をしましたが、そうするしか方法はなかったのです。では、こちらへおいで下さいますか。」
「あの・・・・ちょっと、ええかの。」
真九郎が聞く。
「お菓子はま・・」
「だからお菓子はいいって何度言ったらわかるんだこの田舎モンがあああああああ!!!!」
進歩は渾身の勢いで叫んだ。
その後、別のでかい車に乗せられ、別の所に向かった。誘拐された時に乗りかけたあの黒い車のやたら横が広いバージョンと思えば差し支えない。
景色を見るとどうやら割と山中のようだ。どこに連れて行かれるのだろうか。
と、進歩は膝に置かれたサンドイッチを見つめながらこう思った。サンドイッチは男達が一人一人に配ってくれたのだ。4人全員、横一列に座っている。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黙って食べていた。なんかしゃべる雰囲気じゃなかったからだ。しかしこういうとき必ず一人KY(空気の読めないやつ)がいるものだ。
「んん〜〜〜〜〜〜・・・うまいの〜やっとうまい菓子にありつけたの〜いくら待たすんじゃき〜♪なあ、進歩よ、そのツナサンド、くれんがか?」
「ああ・・・あげるよ、坂本くん・・・あと『しんぽ』じゃなくて『すすむ』ね・・・・てゆうか漢字で書いたオレの名前見たことないくせになんで間違うの・・・・・すすむって、自己紹介したよね・・・・」
投げやりにこう答えた進歩であった。ちなみに、「しんぽ」じゃなくて「すすむ」って読むの忘れないでね。
「う〜ん・・・・・なあ、進歩。俺、気になったんだけど・・・」
健八がいう。
「何?」
「ごちゃごちゃしたこと嫌いだからはっきり言うが・・・このサンドイッチ、毒入ってね?」
はっ
進歩は息をのんだ。進歩は配られた5つのサンドイッチの内、もう3つも食べていた。ツナサンドは真九郎に渡したので、残りはカツサンドだけだ。
やばい、と思った。もしかしたら毒か、睡眠薬でも入っているんじゃ・・・と進歩は感じた。
「うううう!!!」
と登魯が叫んだとき、それは顕著になった。
「な、なんだ、どうした!?」
「ううううううううううう!!!!」
真九郎も同じく。
「やや・・・・・やばい・・・・!!!」
しばらくすると登魯が
「うううう・・・・・うまい!」
まったく面白くない、お約束の展開である。ついでに真九郎が
「ううううう・・・・裏山に生えている柿の木の柿で作った今冬最初の干し柿よりうまい!」
お約束ではないものの、ちょっとアレンジしただけの無理やりオリジナルにした、さっきと輪をかけて面白くない展開である。
「はああ・・・・・・・・・」
黙っていた進歩だったが、心では何かを炸裂させていた。
「ん、どうしたが、進歩?このツナサンドうまいきによ?」
するとついに外部にも炸裂。
「お前らあああああああ!!!!いい加減にしやがれこらああああ!!!!後『すすむ』って読むって何度も言ったろうがあああああああああ!!!!!」
「え、ちょちょ・・・待ちね、ちょちょ・・・ひいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!」
こうして車内はバイオレンスに包まれたまま、数分後に目的地に到着するのである。
「痛い、痛い、何すんね、ひどいきによ〜・・・・」
真九郎がぼやいた。
「せーっな!!歩くときぐらい黙っとけ!」
ここは進歩でなく健八がつっこむ。目的地についたので、車から降り、案内されているのだ。
「で、あんたら、俺らは一体どうなるわけ?身代金はいくらなんだよ?一億か?はっ。誘拐できるような度量と才能があれば一億なんてすぐ稼げると思うけどな!!」
ちょっと、ちょっと、健八君、あんまりそんなこといわないで。もしホントに誘拐犯だったら殺されるって・・・と、進歩は思った。
「あの、みなさん。着きました。」
男の一人がいった。へい、もうついたの、と思って前を見る。すると、
なんと前にはすごいものが建っていた。
なんと形容すればいいのか、城のようだといえばいいかもしれないが、ロンドン塔か、アレキサンマルコ教会か、といえば大袈裟かもしれないが、これだけは言えるかもしれない。『学園のようだ』。で、彼らはその学園っぽいものの門のまん前に立っているわけである。
そして、進歩は学園っぽくてしかたがない、とか思っていたら、予想は確信に変わった。なんとその門には『亜羽都学園』とでかでかと彫られていたからだ。
同時に、進歩はふっとなにか思い出しかけた。いや、ほかの三人も思い出したはず。
すると、その、もうおそらく学園と確定した建物から誰かが出てきた。黒髪の長い、藤色のスーツを着た女性だ。
「ようこそ、亜羽都学園へ。私は『藤森 林檎』といいます。あなた達は、選ばれし者として、ここに来てもらいました。」
次章から本当に新展開、いきます。亜羽都学園の由来、わかったらすごいです。