公園の公衆トイレで未来人の予知の話をしてもらったら
クスクスと笑っている。それに私は腹が立った
この電波野郎め、笑い過ぎだろ…
「…でさでさ、信じるの?」
「無理です」
「なんで信じてくれないの?」
「いや、無理です。普通に考えて」
こんな彼女でも昔は魔法少女とか魔法使い、宇宙人、予知能力者、とか
きっと私の知らない所では魔法少女とか戦ってるのかもしれない。
きっと私の知らない所では宇宙人が地球を狙って作戦を立ててるかもしれない。
なんてメルヘンな考えしていた時期もあった
だが彼女はもう24だ。しかも無職
『明日から本気出す』『明日から仕事探す』
とやっていて全く動いてもいなかった悲しい無職である
現実と言う何かは夢のカケラもない世界であって、
魔法使いとか、そんなぬるいの類は二次元の中だけである事は誰よりもわかっていた
くだらない、未来人とか
「どうやったら信じるの?」
「どうしても信じて欲しいんだ」
「うん!じゃぁ、とりあえず未来に起こることを当てたら信じるよね?」
「ぁ当てられたらね」
当てられる筈がない、とりあえずコイツの言ったことはどうでもいい事だった
今日やる7チャンネルのドラマの”サンタなんていない”が野球で次回に延長すると言うこと
ホントどうでもいい事だった。ってかサンタなんていないって子供の夢をぶち壊すような題名のドラマやってるんだな
もう一つは、夜に私の家に間違えて宅配便が来る
なんでそんな事までわかるんだよ
「それ、ホント……?」
「うん。起こるハズだよ、今の僕には幸夜の未来がわかるんだ」
「……………」
そうだとしたら、いや、そんなはずないけど
そうだとしたら、本当に私は死ぬんだ
「夜に起こることだから家に泊めてね☆」
「は?」
「だってちょっと信じたでしょ」
「信じて……………なくもなくもないかもしれない」
「どっち??!」
信じた訳ない。こんな夢のない世界で、悲しい事ばっかの現実で、
未来人等というぬるい類のものはあってはいけない…んだ、いや、あったらちょっと面白いな
なんて思っているのもちょっとあるが
「……わかった、泊める、今日だけ
それで本当にその未来が起きたら」
「……一週間、泊めさせてもらうよ」
「そのつもり……」