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季節外れの雪  作者: 聖耶
桜散る春
1/2

小さな川で

 君と出会ったのは1年前の春。

桜の花びらが散る頃に、小さな川の横の草むらで眠っていた。

やわらかそうな茶色の髪に、男の子にしては長い睫に綺麗な肌。

触れてみたくて、ゆっくり近づいて手を伸ばした。


「なに?」


 急に聞こえた声に驚き、伸ばした手はそのままで目を見開く。

驚きで何も言えないでいると、彼はゆっくりと目を開けた。

少し灰色がかったその瞳。

ただ目を開けただけ。けど、それすらも綺麗だと感じさせられた。


「倒れてるのかと思って」


 私がそう言うと、彼は「ふ~ん」と言って私の目をじっと見つめてきた。

嘘をついていないか探るような目。

私も負けじと見つめ返す。

嘘はついていないと伝えるため。


「ただ寝てただけ」


 それだけ言って、彼は再び目を閉じる。


「そう」


 彼が再び眠り始めたとわかったけど、私はそこから離れようとはしなかった。

それは君のそばにいたかったから。

いま、このまま離れたら、もう君とは会えないと感じたから。


「なに?」


 2度目の言葉。

目を閉じたままだけど、こちらを気にしているのがわかる。


「なにが?」


 だから、あえて聞き返す。

ちょっとした悪戯心。

すると、彼は少し眉間に皺を寄せる。

そんな彼を見て、少し気分が良くなった。


「笑ってんじゃねぇ。変質者で通報するぞ」


 少し低くなった声。

開いた目がまた、私を見つめてきた。


「どちらかというと君のほうが捕まりそうだよね」


 そう笑って返すと、彼は苦い顔をする。

それが見た目よりも子どもっぽくて、可笑しくなって笑ってしまった。

恥ずかしくなったのか、ぷいっと顔を背けてしまう。

その行動に愛しさを感じてしまった。

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