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7‐6不幸はそのうちやってくる
「そういや、もう一回言うが、いつも露木の方が来るの早かったのに、今日は笹ヶ峰の方が早いのな。なんかあったのか?」
「そうね、そろそろ来ると思うんだけど……あ!! 来た!!」
「来ないのかよ、そこは来いよ!! ……いや、来たのかよ!! 普通じゃねえかよ!!」
「人が来たというの二何ですカその反応ハ」
「いや、こっちの話だから気にしないでくれ、ってその持ち物は?」
露木は、なにかを大量に詰めたのだろうか、サンタが肩に背負っている白い袋のようなものを担いでいた。
「これからアナタには勉強をしてもらいまス」
「べ、勉強?」
「いきなり全部暗唱と言ったのは酷だったのデ。必修の単語の穴埋め問題を作ってきたのでス」
と言い、袋から何やら問題集のようなものが山のように出しだした。
「待て、これ全部か?」
「コレぐらい知っとかないと一流のオタクにはなれないヨ」
「でも、別に俺はオタクなんかじゃ……」
「ああン!?」
「すいません、やりますやります!!」
露木のキャラが一番変貌した瞬間だった。