7‐5スマホなんて……スマホなんて!!
「そういや、いつも露木の方が来るの早かったのに、今日は笹ヶ峰の方が早いのな。なんかあったのか?」
「そうね、そろそろ来ると思うんだけど……あ!! ……来ないわね」
「来ないのかよ、そこは来いよ!!」
「他人の動きなんて把握できるわけないでしょ、スマホのアプリじゃあるまいし」
「あああーっ、そんなのあったなあ」
確か着信履歴だとか居場所だとかが丸分かりになってしまうだとかで、配信中止になったとか、なってないとか。
「まあ、スマホなんかにするから悪いのよ」
「なんだ? 笹ヶ峰はスマホ否定派か?」
「スマホなんて持ってても無駄でしょ」
「なんでだよ、色々便利だぞ」
「便利だからといって使う必要はないわ、する事がないもの」
「まあ、する事がないってのはあるかもしれないな」
「あと、画面が小さいし」
「それは携帯も同じじゃないか?」
「スマホは携帯じゃなくてパソコンの一種よ」
「まあ、インターネットが使える点ではそうかもしれないが」
「スマホで映画がどうのとか言うけれど、小さすぎよ!!」
「でも、それをテレビに映す事も出来るんだろ」
「それだったら動けないからスマートじゃないじゃない!!」
何だコイツ、全く折れないぞ。
……成長した、のか?
あ、駄々をこねてるだけか。