6‐10そして話はずれていく
「ともかく、露木の住所がわからない限り、見舞いに行くことはできないんだ」
「先生に聞くってのは?」
「個人情報保護法ってのがあるだろ?」
「個人情報保護法ねぇ…、めんどくさい世の中になったものね…」
確かに面倒くさいっちゃ面倒くさいな。
「今なんかフェイ〇ブックとかで自分のプライベートな情報を人にさらしてる人もいるぐらいなのにね…、恥ずかしくないのかしら?」
「……………………(無言)」
「まあブログをやってる感覚なんじゃねえのか? 俺は知らんが」
「……………………(無言)」
「なあ、小向よ。何故そんなに無言であることを強調する?」
「……………………(困惑)」
サヨ:ななな何の話?
「完璧動揺してるわよね」
「お前、もしかして……」
「……………………(開き直り)」
サヨ:ええ、そうよ!!
サヨ:ブログやってて何が悪いのよ!!
「いや、別にそこまで言ってないが」
「興味があるだけよ」
「……………………(恥)」
サヨ:べべべ別に大したものじゃないわよ!!
サヨ:ゲームの事とかを書いてるだけよ!!
「へえwww」
「そうなんだ(笑)」
「……………………(怒)」
サヨ:笑ってんじゃないわよぉおおおおおおおお!!
この時俺らのテンションは壊れていた。
もしかしたら部活のメンバーが休んだという事実に、混乱していたのかもしれない。
風邪だという可能性もあったが、別に何か理由があると――――少なくとも俺は感づいていたのだ。