1‐4神の裏切り
あぁあああああ!!
携帯壊しっちまった…。
……どうしよ。
とりあえず駅に行きたいんだが、駅っていってもどこの駅かも分からないし、そもそも駅は駅でも道の駅かもしれないし、もしかしたら『エキ』っていう地名なのかもしれないし、あぁあああああ!!
その時。
「キミ、ウチの高校の子よね?」
俺が通う事になる高校の学校指定の制服を身に纏った、美人の女性が声をかけてきた。
どれだけ美人か?教えて進ぜようぞ!!
まず、顔が整っている。
こんなモンは序の口だ。
次に、スタイルがヤバい。
胸が無いのが悔やまれるところだが、あんなに引き締まって柔らかそうなヒップは誰をも吸い込む。
そして足がスラーッとしている。
その細い足はカモシカを連想させる。
そういった超絶美少女があろうことか初対面の俺に話しかけてきたのだ!!
なんと、まだハーレム王となれる可能性は残されていたのか!!
あぁ、神よ!!
では、名波、行きまーす!
「実は道に迷ってしまって」
「あら、じゃあ新入生の子?」
「はい、そうなんですよ」
「じゃあ道案内してあげるから来なさい」
「はい!!」
キターーー!
まさかの登校初日で美人とツーショットとは…、もはやハーレム王を通り越して世界征服をしてしまうのではないか!?
しかし、人生ってのは甘くないものだ。
何故なら。
俺はリード、つまり首輪を付けられて4足歩行をしている――犬のような仕打ちを受けているからである。