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4‐2心が折れる5秒前
その少女の肌は白く、綺麗な黒髪が腰まで伸びていて、小さいという事も手伝って、日本人形のような印象を受けた。
しかし、少女の目の前にはノートパソコンが立ち上がっており、大きなギャップが生じている。
「…………」
少女は俺が入ってきたのに気付かなかったのか、はたまた無視したのか、全く反応を示さなかった。
パソコンの起動音だけが辺りを包む。
………なんて言うか。
気まずい…。
この状況を打破すべく、謎の少女Xに声をかけてみる。
「ねぇ」
「…………」
「あの」
「…………」
「ちょっと」
「…………」
5秒で心が折れました…。