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3‐4その男、鈍感につき
「にしても笹ヶ峰って男装家なんだよな」
「どどどうしたのよ急に」
「いや、男の格好を見たことがないから現実味が無くてな」
髪の毛はショートだから男装しやすいんだと思うけどさ。
「それならワタシ、写真持ってまース」
「ちょ、サクラ」
「良いじゃないノ」
露木が見せてくれたのは携帯のとある1枚の画像。
それには笹ヶ峰の、男子の学校指定の制服をまとった姿が写っていた。
「へぇ、様になってんじゃん」
「………そりゃそうよ、だって……」
「だって?」
「あぁー、もう!!
………サクラ、後で断頭台に来なさい」
「処刑されるノ!?」
なんでそこまでキレるのかが分からないが、理由は結局聞く事が出来なかった。