13‐2交換条件
その時、扉が開いた。
「お邪魔いたしますわ」
「あれ? 富美香先輩、こんな辺鄙なところに何か用ですか?」
「いえ、最後通告をしようと思いまして」
???
「無様な成績を取ったらしいじゃないですの? しかも部員全員」
「俺はどれも追試にかかってないぞ?」
「私は国語だけよ、それ以外は大丈夫だったんだから」
「ワタシだって英語だけネー」
「……………………(反論)」
サヨ:地理が少し悪かっただけじゃないの、何か問題でもあるの?
富美香先輩は深く息を吐いて、呆れた顔をした。
「追試ぎりぎりな時点で既に駄目じゃないですの。そんな部を存続させるのは生徒会長として見過ごせませんわ」
「って、それはどういう事なんです?」
「廃部も視野に入れて考えておいてくださいまし」
そう言い残し、生徒会長は外に出ていこうとした。
それは困る。
「待って下さい!! 今回は初めてのテストと言う事もあって、皆緊張していたんだと思います。大目に見てもらえないでしょうか?」
そうじゃないと、今までのネガティ部の活動は何だったんだと思ってしまう。
「私だって、いつもはもうちょっとマシな点数を取れるはずよ。たまたまトイレに行きたくなっただけで」
「ワタシももう少し勉強する時間があったら単語くらいはいけたネー」
「……………………(弁明)」
サヨ:私だってペンを持つ握力さえ付けば地理くらい
1人おかしい事を言っていた気もするが気にしない。
「…………まぁ、次は頑張りなさいと言うしかなくなるのですけど。まず、追試に受かるのは部存続の必須条件ですわよ?」
「良いぞ」
「良いわよ」
「楽勝ネー」
「……………………(承諾)」
これで廃部の危機は免れたか……な?
「それともう一つ。ワタクシに弟がいるのは存知あげてまして?」
「笹ヶ峰から一応ですが。それがどうかしましたか?」
「弟を預かってもらえないかしら」
…………へ?