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11‐23ネガティブ思考がバラバラと崩れる
廊下を走って目的地へと直進する。
あれだけ大きい悲鳴なのだから、もしかしたら強盗が入り込んでナイフなんかを突き付けられているのかしれない。
もしかしたら誰かが急性の病気で倒れたのかもしれない。
もしかしたら部屋に入りこんでいた毒ヘビが誰かを噛んだのかもしれない。
いろんな憶測が脳裏をよぎる。
――無事で居てくれよ……まだやり残した事が沢山あるんだ……。
ようやく長い廊下を走り抜け、迷うことなく寝室のドアを開けると。
「皆さん、お嬢さま、もう大丈夫でございます。悪は消し去りました」
「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏……」
「ゴキブリちゃんガァ……ゴキブリちゃんガァ……」
「……………………(追悼)」
サヨ:ご冥福をお祈りします
……何だコレ。