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11‐22ナナミの叫び
離れにて、何もする事が無かった俺は部屋を散策する事にした。
壁には、多分高いのだろう絵画の数々。『ムンクの叫び』の複製と思しきモノも発見した。本物がココにあるはずがないという確証は無いけれど。
ああ、そうそう。『ムンクの叫び』ってのは絵の中ほどにいる人の顔が特徴的だけど、あの人は叫んでるんじゃなくて、実は叫び声に驚いてるらしいよ。あんな顔になるような声なんだったら一回聞いてみたいもんだね。
「キャァァァァアアアアアアア!!」
「ぎゃぁぁぁぁあああああああ!!」
別に振ったわけじゃないのに…………タイミング良すぎだろ。むしろそのタイミングに驚いたわ。
って、そんな事冷静に考えてないで、何があったのか見に行かないと。
そう思い、悲鳴の方へと急いだ。