11‐4変貌
おっと、つい流されそうになった。
「貰えるのは有り難いのですが、もっと直接的指導をお願い出来ないかな、と思いまして……」
「あぁ、そういう事なのね。それならそうとちゃんと言って下さいまし」
ほう、どうやら講師をやってもらえるようだ。
「や、止めた方が良いわよ」
何故か笹ヶ峰が制止を強いた。
「なんでだよ、せっかく教えてもらえるんだぞ? 何か問題でもあるのか?」
「昔教えてもらったとき……いや、一回体験したら分かることよ」
「?」
良く分からないがお言葉に甘えて教えてもらおう。
「これはこれであれですわ。良くて?」
「あ、いや、あのー」
「ですから、そこのこれがあれですからこれはこれであれですわ! 良くて?」「いや、あのー」
「物わかりの悪いクズだなこのチンカスは!! あれのこれがそーなってこれがこれであれなんだよ!! クソビッチ!!」
「えーーっ……」
助けて、人が変貌した。
笹ヶ峰に目をやる。
「あー、あれはね、生徒会長は勉強の鬼になると口が悪くなるの。それで異様に頭の回転が良いものだから、最終的に罵倒されるだけになるの」
それを……早く……言って欲しかっ……た。