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10‐18……………………(感謝)
学園祭も終わり、後夜祭が始まって、グラウンドではキャンプファイヤーが始まり、その周りを生徒達がフォークダンスをして回っていた。
生徒会長は忙しいらしく、1時間厨二病系美少女ウェイトレスをやった後、そそくさと別の現場に向かっていった。
俺達はというと、その輪に入れるほど度胸もないので、部室からそれを眺めている。
「来年もまた、一緒にするわよ」
「言われなくてもそのつもりヨ」
「……………………(禿同)」
「良いけど俺の仕事は減らしてくれよ」
ハハハ、とみんなで含み笑いをして、今日はお開きとなった。
帰り支度をしていると、小向が背中をつついてきた。
何かと思えば、ICレコーダーだった。
「あぁ、忘れてた。まだ返してもらってなかったな」
ICレコーダーに手を伸ばす。
持ち方を誤り、再生ボタンが押される。
『ありがとう』
全員の顔が赤くなった、そんな気がした。