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10‐14死亡フラグが建ちませんでした
俺の作戦はこうだ。
用意するのはICレコーダー、それだけ。
まあこれだけで何をしようかは分かるよね。
「まさかそれにいやらしい音とか吹きこんでいるんじゃないでしょうね!?」
「ちげーよ!!」
急に何を言い出すかと思えば。
「小向は声を出すのが根本的に無理、ってわけじゃないだろ? 人前でしゃべれないだけで」
「そうなの? 小夜」
「そうだったんですカ?」
「……………………(肯定)」
「じゃあどこかでこのレコーダーを使って録音してこい、『宜しくお願いします』って。それなら出来るだろ?」
「なるほどね!! それなら小夜が喋ったことになるわ」
「時間差攻撃ってやつですネー」
「……………………(妙案)」
「よし、じゃあ善は急げだ、行って来い」
「……………………(肯定)」